全米オープン。大坂なおみがグランドスラム日本人初優勝。強かった。セリーナ・ウィリアムズがメルトダウンするほど

 この数年、グランドスラムで日本人が初めて優勝するとしたら、錦織圭ではなくて大坂なおみではないか、と思っていたら...

 全米オープン決勝。大坂なおみセリーナ・ウィリアムズを破って日本人初のグランドスラム優勝。コーチも母親も大坂を迎えて感動の瞬間。

 この試合、第1セットは大坂が6-2。第2セットもセリーナにブレークされるものの、すぐにブレークバック。そして、セリーナ・ウィリアムズは壊れてしまった。グランドスラムでは禁止されているコーチングで1回目の警告、そしてブレークバックで、思ったような試合ができないことで、ブチ切れて、ラケットを壊して2回目の警告。ここで大阪に1ポイント。

 この警告にセリーナは逆上して、審判を罵倒し始める。男子の試合でも見ないような尋常でない罵倒。これはサッカーだったら、イエローカード、野球だったら、退場だなあ。テニスの場合、あとで協会がペナルティを課すのかと思ってみていたら、審判は3回目の警告で1ゲームが大坂に。セリーナ・ファンが圧倒的な地元の観客は審判にブーイングの嵐。異様な雰囲気になったが、感心したのは、この荒れた環境のなかで大坂は冷静に試合を締め、6-4で試合を終える。大坂なおみ、メンタルも強くなったなあ。

 試合後もセリーナは審判を責め続け、性差別とか、言っているらしいが、これは無理がある。コーチングもラケットを壊すのもルール違反で警告の対象になることはわかっているはず。試合中のコーチングはコーチの責任かもしれないが、違反は違反。今日のセリーナの行動、米国のメディアのこんな論評が当たっている。

 She lost to a player who was overpowering her. She couldn’t land her first serve. She ran out of answers. She had a meltdown because she knew she lost.

  彼女(セリーナ)は、自分が負けたと知ってメルトダウンした、と。そのとおりだなあ。大坂に圧倒され、自分の思うようなことが何もできなかった。セリーナは、審判に自分に謝罪しろと迫ったが、謝罪されなければならないのは大坂なおみだなあ。

 それにしても、セリーナ・ウィリアムスほどの選手でも、自分の思うようなプレイをさせてもらえないまま、負けが見えてくると、メンタルに壊れてしまうのだなあ。メンタルまで壊してしまった大坂なおみはすごいと思うと同時に、超一流でさえ、怖割れてしまうことがあるという怖さを知った試合でもあった。

 この全米オープン・ファイナル、セリーナ・ウィリアムスが晩節を汚した試合としても記憶されるのだろうか。

 この審判、ナダルにもタイム・バイオレーションの判定をくだした厳格な人らしい。相手がどんなスーパースターでも萎縮せずに厳格な判定をくだす人だと思うと、性差別と言うのは苦しいと思うのだけど。

女子テニス新時代 大坂なおみSpecial (TJMOOK)

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