防衛相が「原爆投下、しょうがない」発言

久間章生防衛相は30日、千葉県柏市麗沢大学で「我が国の防衛について」と題して行った講演で、太平洋戦争終結時に米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて「米国はソ連が日本を占領しないよう原爆を落とした。無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったという頭の整理で、今しょうがないなと思っている」と述べた。被爆地・長崎の出身でもある現職閣僚が、原爆投下を部分的に肯定したとも受け取れる発言に対し、野党は閣僚の罷免を求めるなど激しく非難しており、波紋が広がっている。

 久間という人は失言の多い人だが、また、あまり考えないで発言した様子。というか、本音なんだろうなあ。しかし、ソ連の参戦を食い止めるために原爆投下というのも何だか、ちょっとという気もする。それもあったかもしれない。戦争の早期終結が課題となっていたが、それと同様に、硫黄島、沖縄で多数の戦死傷者が出たことで、オリンピック作戦(九州上陸)やコロネット作戦(九十九里上陸)は犠牲が多すぎて米国内の世論が持たないという事情もあったのではないか。一方、巨額の資金を投じて開発した原爆を使わざるを得ないという、いかにも「お役所」的な理由があったとの説も読んだことがある。軍もひとつの役所だから。国民の資金を投じたプロジェクトが「税金の無駄遣い」ではなかったと証明する必要があったというのだが・・・。参議院選挙は7月29日。その翌週に、広島に原爆が落ちた8月6日がやってくる。何だかなあ。