安倍・自民党、参院選で地滑り的大敗北

第21回参院選は29日午後8時で投票を締め切り即日開票された。開票はまだ続いているが、自民党は岡山選挙区で党幹部の片山虎之助参院幹事長が落選するなど、自民党の惨敗は確実になった。しかし安倍晋三首相は同夜、首相公邸で記者団に対し、選挙結果にかかわらず続投する意向を表明した。しかし、参院では野党が過半数を確保するばかりか、民主党参院第1党になるのも確実な情勢だ。安倍首相は内閣改造などで人心一新を図り、挙党態勢を改めて整える考えだが、参院の国会運営の主導権を失ったままでの政権運営には困難も予想され、今後の政局は不透明になるのは必至だ。

 最後の最後まで選挙の流れは変わらなかった。選挙戦が始まってからも、政権首脳の失言が止まらないという緊張感を欠いた内閣だったが、それが選挙結果にそのまま現れた。問題含みの人物を大臣に選んだ上で、スキャンダルが起こってからも切れない身内擁護、野党を無視した強行採決の連発ーーブッシュとプーチンというマイナス・イメージのリーダーシップに落ち込んでしまった。前任の小泉首相は、いろいろありながらもブレア型の明るさがあった。それがすべて選挙結果に集約されてくる。メディアとの付き合いも下手だったし、言葉が多過ぎて何を言っているのかわからないコミュニケーションの下手さ加減など、後になってみれば、負けるべくして負けた感じ。加えて、早速、政権続投発言してしまうところは、いかに後継難といっても、選挙で落選したグループを含めて火に油を注ぐようなものだと思うけど。一方、公明党も、あの党では珍しい現職の落選が発生するなど、安倍政権と心中してしまったわけで、公明党執行部のほうも連立のあり方など、火を噴きそう。政治の世界、何が起きるか分からない。