- 作者: 西村博之
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 新書
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それはともかく、これを読んでいて思ったのは、西村博之氏の思考パターンは、自民党保守派の政治家、官僚と似ていること。対談で西村氏を差して言う「身も蓋もない言い方」も、日本の保守系パワーエリートに共通している。ある種の全能感に基づく世界理解とでもいうのだろうか。外見も立場も全く違う両極端にいるかのような両者なのだけど、どこかで共通した世界観を感じる。言葉では、うまく説明しにくいのだけど。漫画家はひとつの世界を創っていくうちに神のようになっていくと言った人がいたが、プログラマーもひとつの世界を創造していくわけで、創造主に近い感性を持つようになっていくのだろうか。一方、自民党の政治家、官僚も「日本」という“世界”を創っているのは自分たちだと思っているところがある。自分たちはすべてを決めることができる、あるいは何を決めて、何を決められないかをすべて知っているーーそのあたりの感覚なのかなあ。読んでいての全くの印象。2ちゃんねるがエスタブリッシュメントから嫌われているようでいながらも、許容されているのは、こうした管理人の個性をエスタブリッシュメント自体も感じているからだろうか。
もうひとつ読んでいて印象に残ったのは、新聞、テレビなどのオールド・メディアに対する評価の高さ。このあたりは本音かどうか、わからなかった。