ロシア・スパイ事件で思い浮かんだ映画化されたスパイ小説3作
米国のロシア美人スパイ事件が話題になっているが、「ロシア」「スパイ」という言葉で、映画化された3篇の小説がすぐに頭に浮かんだ。まずは、これ。
- 作者: イアンフレミング,Ian Fleming,井上一夫
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/11/22
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007 ロシアより愛をこめて アルティメット・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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で、007的な冒険小説のノリではなく、シリアスな名作というと、こちら。
- 作者: ジョン・ル・カレ,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/05/01
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- 出版社/メーカー: CICビクター・ビデオ
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ル・カレといえば、ジョージ・スマイリーを主人公にした一連の作品(「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」「スクールボーイ閣下」「スマイリーと仲間たち」など)が代表作で、こちらはまさにソ連情報部と英国情報部の冷戦を描く。そして、スパイ小説という以上に、スパイという存在を通して人間の心を描く傑作文学になっている。ただ、映画化されたのかどうかは微妙。されたとしても印象に残っていない。そんなこともあり、こちらはちょっと外して、好きな作品としてあげたいのはこちら。
- 作者: ジョンル・カレ,John le Carr´e,村上博基
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1996/04
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結局、「ロシア」「スパイ」というと、ジョン・ル・カレ、イアン・フレミングということになってしまうのかもしれない。フレデリック・フォーサイスもどうかと思ったのだが、ロシアを舞台にした作品で思い浮かぶのは「イコン」ぐらい。でも、冷戦下の情報部同士の暗闘という話ではない。こちらは映画になったのだろうか。なったとしも、話題にはなっていない。今度のロシア美人スパイ事件は米国が舞台だが、冷戦時代を描いたスパイ小説・映画というと、米国は意外と不毛地帯。アクション映画がいくつかあったかもしれないが、これはというものがほとんど思い浮かばない。スパイという陰影に満ちた話は、冷戦の主戦場で、複雑な歴史を持った欧州勢のほうが得意なようだ。英国人のインテリが米国人のことを「ナイーブ」と評したのを聞いたことあるが、そんな英国だから、影の世界を描くことに長けているのかもしれない。