チャーチルの演説入りアルバムが英国ヒットチャートに

オフィシャル・チャート・カンパニー(OCC)が3日発表した英アルバムチャートで、第2次世界大戦中の英国を率いたウィンストン・チャーチル元首相の有名なスピーチなどを収めたアルバムが、4位にランクインした。「Reach For The Skies(原題)」と題された同アルバムは、英軍とドイツ軍が戦った「バトル・オブ・ブリテン」の70周年を記念して、英空軍の音楽隊であるセントラル・バンドがリリースしたもの。

 英国も面白い国だなあ。空軍軍楽隊とチャーチルの演説の“コラボ・アルバム”がこんなに売れてしまうのか。それとも、それだけ音楽業界が冷え込んでいるということなのだろうか。このアルバム、日本のアマゾンでは見当たらなかったが、Amazon.co.ukにはあった。このページには、メイキング風のプロモーションビデオまである。
 Reach For The Skies: RAF Central Band: Amazon.co.uk: Music http://t.co/KXoxa4U
 RAFは「Royal Air Force」、英国空軍ですね。ただ、軍楽隊のアルバムといっても、マーチや軍歌だけ演奏しているわけではなくて、「バトル・オブ・ブリテン」70周年を記念してか、映画「空軍大戦略」(原題はBattle of Britain)から始まっている。映画音楽では「アラビアのロレンス」や「素晴らしきヒコーキ野郎」も入っている。このほか、哀愁漂う「ダニーボーイ」は軍楽隊の定番ともいえるだけに当然あり、911の追悼集会でベット・ミドラーが歌った「愛は翼にのって」(Wind Beneath My Wings)も収録されている。後者は追悼曲の新しい定番なのかもしれない。
 曲目リストを見ると、チャーチルの演説は2つ入っている。チャーチルは演説の名手だけに演説集も欧米では数多く出ている。本で特に有名なのは名演説集の「Never Give In!」ではないだろうか。

Never Give In!: The Best of Winston Churchill's Speeches

Never Give In!: The Best of Winston Churchill's Speeches

 演説を収録したCDも多く、2008年にも、こうしたものが出ていた。
His Finest Hour

His Finest Hour

 チャーチルの演説は不滅なんだなあ。日本でCD化できる政治家といったら、誰だろう。吉田茂? 田中角栄? 小泉純一郎