東日本大震災余波。ムーミンの来日も中止になってしまった...

東日本大震災の影響で、海外の美術品を借りる展覧会の中止が相次いでいる。▼岡山県立美術館も22日から予定していた「トーベ・ヤンソンムーミンの世界展」を中止。童話「ムーミン」の原画など約130点をフィンランドの博物館から借りるはずが、「日本で何が起こるか予測できず、貸し出しはできない」と連絡があった。「被災地から遠い場所なので安全」と再考を求めたが、方針は変わらなかった。学芸員は「気持ちも分かるが、楽しみにしていた人たちのことを思うと残念」と話す。

 東日本大震災ということもあるんだろうが、福島第一原発事故や停電などの話が過大に伝わっているのだろうか。外国人の出張や旅行が減っていることは知っていたが、美術品の貸し出しにまで支障が出ているのか。ムーミンの展覧会、岡山なのに、駄目だったのか。フィンランドらしくないなあ。フィンランドチェルノブイリのトラウマがあるのだろうか。いずれにせよ、こういう時期だからこそ、ムーミンには来て欲しかった。トーベ・ヤンソンが生きていたら、送り出してくれたような気もするけど。
 岡山県立美術館のサイトを見ると、こんな風に、お知らせが載っている。

4月22日から5月22日まで開く予定でした特別展「トーベ・ヤンソンムーミンの世界展」は、東日本大震災の影響でフィンランドの所蔵先からの作品輸送が困難になったため、急遽開催を中止することといたしました。

 震災に端を発した他の理由もあるのだろうか。貴重な美術品である以上、超保守的にリスクを考えるのだろうか。読売の記事を読むと、イタリアの展示会の場合、保険会社が美術品保険を引き受けないということが中止の理由にあげられていた。フィンランドの場合も、同じ理由かもしれない。保険をかけられなければ、移送はできないだろう。一方、SankeiBizの記事だと、フランスの場合は、クーリエ(同行学芸員)が渡航禁止になっているため、美術品もダメということらしい。ほかの記事では、文化資産保護の観点から輸送禁止のケースもある様子。かけがえのないものだから、それだけ慎重になるのもわからないではないが...。
 今回の岡山美術館の件、相手方の所蔵先は出ていないが、ムーミンといえば、フィンランドタンペレ市立美術館にあるムーミン谷博物館だから、あそこなんだろうなあ。残念な話。当分の間、海外アートは現地に出かけていって見るしかないのだろうか。
【参考】
岡山県立美術館・公式サイト => http://t.co/rvXqjd5
ムーミン谷博物館・日本語サイト => http://t.co/8xmERoK
・世界の美術品が日本行き拒否 展示会中止相次ぐ ドニ、北斎も… - SankeiBiz => http://t.co/dzA6GyS
モーリス・ドニ展中止 震災影響 仏、作品の輸送禁止 山梨 - MSN産経ニュース => http://t.co/5dmtmSY
・米国から絵巻里帰り、震災で到着遅れ 京博で法然展 : 京都新聞 => http://t.co/eNEGkFd

たのしいムーミン一家 (講談社文庫)

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