自民党政権発足前に、日本郵政の斎藤次郎社長が退任。〝小沢人事〟といわれていたもんなあ...

日本郵政は19日午前、臨時取締役会を開き、斎藤次郎社長(76)が同日付で退任し、後任に坂篤郎副社長(65)が昇格する人事を決めた。20日付で就任する。19日午後に両氏が記者会見して詳しい経緯などを説明する。

 自民党圧勝となったときに、だったら、日本郵政斎藤次郎社長はどうなるのだろうかと思っていたら、安倍首相が誕生する前に退任してしまったのだ。斎藤社長は元・大蔵事務次官で、細川政権時代に小沢一郎氏と組んで「国民福祉税」導入を仕掛けた人。大物次官といわれていたが、自民党復権すると、失脚。2009年に民主党政権が発足、新政権下、亀井静香郵政担当相が西川善文社長の後任として、日本郵政の社長に据えたが、小沢一郎氏の〝慰労〟人事みたいな見方が強かった。それだけに、再び自民党政権になって、どうなるのかな、と思ったら、切られる前に、出てしまったのだ。
 しかし、政権交代前に、株主である財務大臣が決まる前に、交代してしまっていいものなのだろうか。それとも、安倍次期首相には報告済みなのだろうか。午後から記者会見というから、そのあたりの質問も出るのかな。それとも気を使って質問しないのかな。
 いずれによせ、内閣や議員だけでなく、政権による人事で決まった人々も荷物をまとめて出ていくのだなあ。米国や英国の政権交代みたいになってきた。
【追記】坂・新社長、第1期・安倍政権では「官邸の黒幕」と呼ばれていた...
 新社長の坂氏、どんな人物かと思って検索していたら、こんな記事が...
・「官邸の黒幕」坂篤郎とは何者か(FACTA2007年6月号):FACTA online => http://bit.ly/12z97rV
 第1期・安倍政権時代の官邸の実力者だったのだ。しかも、「改革を骨抜きにする黒幕」「抵抗勢力財務省の司令塔」なんて言われていたこともあるらしい(記事では、財務省からみれば、「官邸の有能なロジ担」で、黒幕は買いかぶりという書き方だが...)。今回の社長交代、〝小沢人事〟を払拭する体裁をとりつつ、安倍政権になっても、やっぱり強いのは財務省、というアピールなんだろうか。
【追記の追記】菅・次期官房長官が怒っているみたいな...。
 次期官房長官の菅氏が日本郵政の社長人事にコメント...

 日本郵政斎藤次郎社長の後任に坂篤郎副社長を昇格させる人事を決めたことについて、自民党菅義偉幹事長代行は19日、「政権移行期に、財務省出身によるたらい回し人事をした。官僚が自分たちの権益を守るような人事は許せない」と批判した。国会内で記者団に語った。

 菅さん、ちょっと怒っているみたいな...。政権交代のすきを狙うように、財務省出身者が社長の座をたらい回ししているんだったら、無理もないけど...。政府が100%株主なのに、事前に知らせていなかったんだろうか。大胆だなあ。日本郵政の坂・新社長は、前回の安倍政権の際、官邸での実力者だったという説もあるから、安倍次期首相のことを甘く見ているんだろうか。バージョンアップした安倍新政権が、おともだち的な馴れ馴れしさに鉄槌を下すのか、それとも、なし崩し的にそのまま飲んでしまうのかーー財務省が次期首相を試しているのだろうか。霞が関も相変わらず、すごいなあ。日本郵政は官僚が人事を決めてしまうところになってしまったということなんだろうか。で、この人事、野田首相は了承していたのだろうか。
日本郵政社長人事を批判=「政権交代期に不適当」−石破自民幹事長時事通信 => http://bit.ly/VPPzts

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※ 西川前社長、夢半ば、ぼろぼろになって去っていったわけだけど