2012年度最後の取引日となった29日の東京株式市場は、米株高を受け主力株の一部が買われ、日経平均株価は前日比61円95銭高の1万2397円91銭と反発した。前年度末比では2314円高で、2年連続の上昇。5年ぶりの高水準となった。
金融政策の転換で、株式市場は上昇し、5年ぶりの高値。アベノミクスの幻想に基づくミニバブルなどという人もいるけど、1989年につけた史上最高値3万8915円87銭と比べると、31.9%の水準。3分の1にもならない。今の日本企業の状態で、3万円台が妥当とも思わないが、それにしても、この株価水準は1985年当時ぐらい。失われた最初の10年、1990年代だって、最安値は98年の金融危機の際の1万2879円97銭。そこまでも行っていない。完全にデフレ化してしまっていたのだなあ。そして、ようやくデフレ脱却に対する期待を株価は読み込み始めているのだが、まだ半信半疑でもあるのだなあ。バブルとはちょっと違う感じがする。今までが今までだったような...。
一方の米国は2000年代に入り、インターネット・バブル、そしてサブプライム危機に発した恐慌寸前のリーマン・ショックと、2度の暴落があったのだが、ニューヨーク・ダウ平均がどうだったかというと...
株価は2度の暴落を乗り越えて回復。昨日28日は史上最高値を更新。いろいろと議論はあるけど、FRBは果敢な量的緩和でデフレ経済に陥るのを防いだのだなあ。バブル的な要素もあったかもしれないけど、デフレは経済の死という認識のもとに、バブル化する恐れがあるのを覚悟の上で、リスクをとったんだよなあ。資産デフレ、株式資産の崩壊はまず回避すると...。日本は何だか、武士は食わねど高楊枝なのかなあ。「あれはいけません」と言って、何もしない...。単に思考停止しているような感じもするけど...。
で、おまけに日米のインフレ率比較です...
一番下の線は0ではありません。−1%のちょい下です。これを見ると、米国のFRBは、ほぼ2〜3%台ぐらいのターゲット・レンジにインフレを管理している。一方、日銀は...。これだから、日銀はインフレよりもデフレがいいと思っているとか、いわれてしまうのだなあ。それで、こんな本が出たりする。
- 作者: 岩田規久男
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/06/09
- メディア: 新書
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ともあれ、金融政策の転換を中心とした安倍政権の経済政策、バーナンキの政策の追随がどれほど効果を発揮するのか、まだ、これからだなあ。
★ 米株式市場28日 ダウ平均とS&P500、共に史上最高値を更新 - WSJ.com
- 作者: ベン・S・バーナンキ,栗原潤,中村亨,三宅敦史
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/03/26
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連邦準備制度と金融危機―バーナンキFRB理事会議長による大学生向け講義録
- 作者: ベンバーナンキ,Ben Bernanke,小谷野俊夫
- 出版社/メーカー: 一灯舎
- 発売日: 2012/06/01
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