裏切りのサーカス

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 ジョン・ル・カレの『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の映画化。ル・カレの小説は大好きで、スマイリー・シリーズの代表作である『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』も読んでいたものの、細かい中身は忘れていた。それはともあれ、ル・カレの世界が映画に再現されていた。ゲイリー・オールドマン扮するジョージ・スマイリーが哀愁を漂わせ、抜群に良かった。「レオン」とか「ステート・オブ・グレイス」とかのイッちゃって、キレている時代から比べると、枯れて渋くなったなあ。昔も良かったけど、今も良いなあ。こんなにうまく歳をとるとは若い時には考えられなかったなあ。
 映画は冷戦時代の陰鬱なヨーロッパの空気をうまく映画にしている。ともあれ、役者が良くて、コントロール(007映画で言うとM)はジョン・ハート。英国情報部員に「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「ダークナイト・ライジング」のトム・ハーディ、「SHERLOCK(シャーロック)」のベネディクト・カンバーバッチ。こうした配役が絡みあって、英国情報部(MI6、サーカス)の幹部に潜んだモール(もぐら)探しが展開される。
 見ていて、ジョン・ル・カレの小説をまた読み返してみたくなった。スマイリー・シリーズをゲイリー・オールドマンで続けて撮らないのだろうか。オールドマン、いいなあ。
ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)