カンヌ映画祭、パルムドールは「アデルの人生」、是枝監督の「そして父になる」は審査員賞

フランスで開催中の第66回カンヌ国際映画祭は閉幕日の26日夜(日本時間27日未明)、コンペティション部門の受賞結果を発表し、是枝裕和監督(50)の「そして父になる」が審査員賞を受賞した。三池崇史監督(52)の「藁の楯 わらのたて」は受賞を逃した。(略)パルムドールアデルの人生」(アブデラティフ・ケシシュ監督)▽グランプリ「インサイド・ルイン・デービス」(イーサン&ジョエル・コーエン監督)▽監督賞アマット・エスカランテ(「ヘリ」)▽脚本賞ジャ・ジャンクー(「ア・タッチ・オブ・シン」)▽女優賞ベレニス・ベジョ(「過去」)▽男優賞ブルース・ダーン(「ネブラスカ」)

 今年のカンヌ映画祭は世界の第一線級の監督が揃った激戦だったが、パルムドールはフランス映画の「アデルの人生」に。
別離 [Blu-ray] 彼女が消えた浜辺 [DVD] 事前のオッズでは、映画祭序盤は是枝監督の「そして父になる」が一番人気だったが、コンペティション作品の上映が進むにつれ、本命はイランのアスガル・ファラハーディー監督の「過去」(LE PASSE=英語タイトル:THE PAST)、対抗がアブデラティフ・ケシシュ監督の「アデルの人生」(LA VIE D'ADELE - CHAPITRE 1 & 2=英語タイトル:BLUE IS THE WARMEST COLOUR)で、是枝監督の「そして父になる」は4番人気だった。イランのファラハーディー監督は「彼女が消えた浜辺」や「別離」を撮った人。カンヌの前哨戦ともいえそうなエキュメニカル賞(全キリスト教会賞)でも、「そして父になる」が特別表彰で、エキュメニカル賞は「過去」がとっていた。ただし、フタを開けてみると、「過去」は女優賞で、パルム・ドールは「アデルの人生」だった。
美しいひと [DVD] 美しき棘 [DVD]  で、オッズで女優賞の本命と見られていたのは、「アデルの人生」に出た19歳の若手新進女優のアデル・エグザルチョプーロス(Adèle Exarchopoulos)だった。パルムドールの授賞では、監督のアブデラティフ・ケシシュとともに、この新星、アデル・エグザルチョプーロスと、共演した同じく主演のレア・セドゥ(Léa Seydoux)が一緒に表彰されていた。セドゥはウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」にも出ていた美人女優(可愛いタイプだが、「美しいひと」「美しい刺」とか「美しい」というタイトルの映画に出ている)。このふたりの新鮮さが映画を支えていたということでもあるのだろうなあ。ちょっと見てみたい。
 一方、グランプリはコーエン兄弟コーエン兄弟、相変わらず強いなあ。男優賞は懐かしやブルース・ダーンで、出演作「ネブラスカ」の監督はアレクサンダー・ペインだから、コンペティションは役者が揃った大混戦だったわけだなあ。なお、オッズでは三池崇史監督の「藁の楯」は最下位だった。カンヌのコンペティション向きの作品ではなかったからなあ。出すならば、別の作品で挑戦したほうが良かったと思うけど、いろいろと事情があったのかなあ。
★ カンヌ国際映画際コンペティション部門の予想オッズ「Cannes 2013: odds for the Palme, Best Actor and Best Actress」 => http://goo.gl/7PD5e
福山雅治主演作、カンヌでエキュメニカル賞特別表彰!パルムドールに弾み! - シネマトゥデイ
★ 「アデルの人生」- カンヌ国際映画祭オフィサシャルサイトの作品紹介 => http://goo.gl/wXpiU
【ELLE】【カンヌ国際映画祭】レア・セドゥが女同士のロマンス劇に挑戦!|エル・オンライン
YouTubeにあった「アデルの人生」の一場面