日本代表、チュニジアに2−0で勝利。変化の予感が...

日本代表は27日、大分銀行ドームチュニジア代表と親善試合を行い、2―0で快勝した。初陣となったバヒド・ハリルホジッチ監督(62)は新戦力を積極的に先発起用する大胆采配を披露。後半途中から投入したFW岡崎慎司(28=マインツ)が先制点、FW本田圭佑(28=ACミラン)が1ゴール1アシストと活躍するなど交代策も的中した。

 ハリルホジッチ監督は、こだわりの勝利からの好スタートとなった。得点したのは岡崎、本田という常連組だったが、先発メンバーのスリートップは、川俣、永井、武藤という新鮮な顔ぶれ、GKはハリルホジッチが初観戦した試合で好プレーを連発した権田。得点はできなかったが、点を奪われることはなかったし、何よりも選手たちに気合が入っていた。ザッケローニ時代にもアギーレ時代にもなかった日本代表のポジション争いが始まったことを見に見える形で見せてくれた。SBは酒井高徳ではなく藤春であり、CBも森重ではなくて牧野だったし、宇佐美、永井という、なぜ使わないの?と思われていたメンバーも招集しただけではなく、ピッチに立たせた。そして試合が膠着し、相手が疲れたところで、本田、香川、岡崎といった不動のレギュラーだった海外組を投入して勝ち切る。ハリルホジッチ監督、なかなかのやり手かもしれないと思わせる試合だった。
 プレーの精度、判断の速さ、決定力などではニューメンバーと常連組にはやはり差があるように思えるが、それは本人たちが一番わかっているのだろうし、代表としての試合経験の差かもしれない。それよりも良い選手、調子のいい選手は使うということが(当たり前のことなんだろうが)、再認識された効果は大きいと思う。競争によって選手は活性化され、自分に何が足りないのか、何を強化すればいいかを学ぶだろうし、組織プレーをセオリーに従って愚直にやっていれば、得点までは行けなくても、失点しないこともわかったかもしれない。一方、常連組は自分の何がすごいのかをピッチで証明しなければならない。海外でサッカーしてますだけでは通用しない。調子が良くても悪くても先発組は固定という時代は終わったことを宣言しているようでもあった。
 加えて、ハリルホジッチ監督、2点差で勝利もみえてきた最後の最後で内田まで出してしまうところを見ると、エンターテインメントとしてのサッカーも意識しているような感じもする。スタンドを盛り上げる術も知っているような、あるいは、スポンサーサービスまでしてしまう人のような気もした。とはいえ、第一に勝利の人だから、先発でスポンサーサービス、ファンサービスしてしまうことはなさそうだから、いいけど。
 ともあれ、ザッケローニ時代の後半から漂っていた日本代表の停滞感を払拭してくれるような変化を予感させてくれるような試合だった。代表だけでなくて、アンダー世代も含めて日本サッカー界全体を刺激して欲しいものです。
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