22日の東京株式市場は、企業業績の先行きに対する期待感などから買い注文が広がり、日経平均株価は200円以上値上がりして、終値として15年ぶりに2万円台を回復しました。
日経平均は終値2万133円90銭と、ようやく2万円の大台を回復。2000年以来、15年ぶりということは、21世紀初の終値で2万台ということか。日経平均の2万円台乗せは1987年1月。そして最高値が1989年12月の3万8915円87銭。いわゆるバブルの時代。バブル崩壊後の最安値は、リーマン・ショック後、2009年3月の7054円98銭。この底値からみれば、3倍近い水準まで上がってきたわけだが、戻し率でいうと、まだ4割強で、半値戻しにもなっていない。このまま半値戻しぐらいまで行くとみるのかどうか。あるいは、バズーカをぶっぱなした超金融緩和の威力だけでは、この水準程度までなのかと、ちょっと斜に構えてみるべきなのか。
1920年代にバブル崩壊を経験した米国の場合、ニューヨーク・ダウ工業平均は20年代バブルの高値が1929年9月3日の381ドル17セント。その後、「暗黒の木曜日」で株価は崩壊、銀行倒産など恐慌状態となり、1932年7月に安値41ドル22銭をつける。高値からの下落率は実に89%。1割ちょっとしか価値が残らなかった。すさまじいなと思うが、日本も高値から安値の下落率は82%。四捨五入すると、9割安と8割安となるけど、改めて数字を見ると日本の場合もすさまじい崩壊だったのだなあ。しかし、日本らしく良く言えば少しずつ、悪く言えばダラダラと不良債権を処理した結果が、安値をつけるまでの時間の長さと、その後の復元力の弱さになったのかもしれない。
で、米国の場合も29年の高値を抜いたのは1954年だから、復活までに25年間、四半世紀を要している。一方、日本の場合をみると、最高値が1989年末だから、今年で26年目、既に四半世紀を超えている。しかも、半値戻しもできていない。いずれにせよ、2万円台回復で喜んでいても満足してもいけないんだなあ。折り返し地点までもう少し、日本経済もここからが勝負だと気を引き締め直すべきなんだろうなあ。
★ 日経平均のデータは => 日経平均資料室:日次・月次・年次データ 日経平均プロフィル
★ ダウ平均の長期データはここで発見 => Historical Dow Jones Prices
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