ラグビーワールドカップ。日本が南アに歴史的勝利

ラグビーのワールドカップイングランド大会は19日、日本が1次リーグ初戦で世界ランキング3位の南アフリカに34対32で勝ち、歴史的な勝利を挙げました。

 ラグビーのワールドカップ。過去2度優勝経験がある南アフリカとの戦い。先制は日本。取って取られてのシーソーゲームで前半は10−12。ここで寝てしまったのだが、朝、起きてみると日本が勝利したという。慌てて録画しておいた試合を見ると、後半もシーソーゲームで、予想外に強い日本に南アの選手たちが浮き足立っているのがわかる。そして、既にロスタイムに入ってからの逆転で、日本が勝利。ドラマだなあ。
インビクタス/負けざる者たち(初回生産限定スペシャル・パッケージ) [Blu-ray] 南アとしてはダブルゲーム、トリプルゲームで勝つ気でいたんだろうなあ。1995年の南ア大会(マンデラ大統領の下での大会で、南アが当時世界最強といわれたニュージーランドに勝って優勝した。モーガン・フリーマンマット・デイモン主演で「インビクタス/負けざる者たち」という映画になっている)。この大会で、日本はニュージーランドに17−145という大会記録の大敗を喫している。20年前のことだけど、この記憶は残っていただろうし、まあ、これほどの大差はつかないとしても、楽勝だと思っていても不思議ではない。
 この試合、圧巻は最後の最後、残り時間もほとんどなくラストプレイとなるところでもらったペナルティで、スクラムを選択したことだった。この時点で29−32。パナルティゴールを入れれば、引き分けで勝ち点2。無得点の場合は、得失点差が7点差以内だから、勝ち点1。そしてトライを決めれば、勝ち点4。まあ、普通だったら、強豪相手に同点引き分けで勝ち点2をゲット、と思いがちなところだが、ここで勝ちにいった。負けても勝ち点1という計算もあったのかどうかはわからないが、この時点で流れは日本だったから、勢いを信じたのだろうか。ともあれ、この選択、ギャンブルかも知れないが、正しかった。
不動の魂 ラグビーの日本代表。日本に帰化したりした外国人も多く、従来の日本代表のイメージとは変わってきている感じがする。外国出身選手が増え始めた頃は、批判もあったが、当時、ラグビー界のレジェンドのひとりともいえる人が「日の丸を背負って戦う者は同じ日本人であり、仲間だ」と言っていたのが印象的だったのだが、それが今につながっているのだなあ。チームとしての一体感もある。日本人の体格も良くなり、五郎丸とか、名前も源平時代の武者みたいですごいけど、スター性、カリスマ性があるなあ。みんなキャラが立って、ある種、グローバル化し、ハイブリット化した日本の強さを見せる感じでもあり、開かれたネオ日本の象徴が今の代表チームなんだろうか。それがネオ日本らしさを追求することで、世界トップクラスと戦い、打ち勝つ競争力を見せたという試合でもあったのかなあ。内向きのオールド日本よりも外に向いたネオ日本の可能性を見せたと見ることもできるのかな。
 ともあれ、そんな理屈は抜きにして、闘志に満ち、スピード感のある面白く、劇的な試合だった。何しろ、「ハリー・ポッター」のJ・K・ローリングも「こんな話は書けない」とツイッターでつぶやいていたぐらいだから*1。今回、「インビクタス」は日本だったなあ。
Japan beat South Africa in greatest Rugby World Cup shock ever | Sport | The Guardian
【ラグビーW杯】日本の歴史的勝利にハリポタ作家も脱帽「こんな話は書けない…」 - ライブドアニュース