検察が事件を潰す、という意味は、不起訴だけでなく、検察審査会も含めて事件を潰すこととセット?

 財務省の公文書改竄事件を不起訴とした検察、いろいろなところで批判を浴びているが、この記事を読むと、暗澹とする。

facta.co.jp いまや官邸の人事権によって忖度の府となった感がある霞が関にあって、法務・検察も例外でなく、官邸のご意向の下、大阪地検特捜部が不起訴を前提に動いていた感じてはしていた。朝日新聞公文書偽造のスクープをしたときは、現場は法務・検察トップの圧力に反抗している風にもみえ、万が一を期待したが、結局は、大阪地検特捜部は落城。ただ、それは不起訴にしたことにとどまらず...

 検察関係者によると、大阪地検は昨年のうちに不起訴の方針を決め、その後は検察審査会で強制起訴を議決されないための資料作りなどに全力を挙げてきた

  ずいぶん長い間、捜査に時間をかけていると思っていたのだが、それは起訴できるかどうかを慎重に検討していたわけではないと。今年に入ってからの半年は、検察審査会で不起訴妥当という結論を得るための作業のためだったというのだ。時間をかけていたことも検察審査会向けに一生懸命調べましたというアリバイづくりだと。

 実際、検察の不起訴と検察検査会の「不起訴妥当」のお墨付きという疑惑潰しセットには成功体験があるそうで、それは甘利経産相の口利き疑惑だという。秘書がカネをもらっていて、かなり怪しい話だったが、検察は甘利氏を起訴せず、さらに...

www.news24.jp  ここまでやって政権にサービスしたことになるのだな。検察審査会を抑え込んでこその事件潰しなんだなあ。カネが動いたことははっきりしていた口利き疑惑で、法律論を駆使して政治家は不起訴というのも検察としてはずいぶん変な話だと当時も思ったけど、事件が起きても検察は動かないという自信は2年前に既に確立されていたのかもしれないなあ。あとは世間が忘れるのを待つだけと。実際、それで乗り切ったわけだし。

 検察審査会を抑え込むという意味では、この事件も同じだったのだろうか。

www.nikkan-gendai.com  しかし、この局地戦で勝利を収めても、こうした形で、検察や「法と秩序」に関する信頼が失われていくと、社会にも国家にもいずれ歪みを生み、無秩序を生み出していくことになりかねない。法は権力者のものであり、守っているのはばからしいと。それは結局、権力にとっても統治を難しくすることにもなるんだけど...。だから、トップは「泣いて馬謖を斬る」わけで。そのあたりをエライ人たちはどう考えているのだろう。

 雑誌の記事は陰謀史観に基づく考え過ぎで、現実は違う、本当に時間をかけて、ちゃんと捜査していたと思いたいところだけど...。この記事の最後に書かれていたが、せめて検察審査会の審査補助員には、しっかりとした弁護士をつけてほしい。ただ、これも忌避する方法が既に編み出さているのだろうか。

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