フランスの捜査当局はまだ追いかけていたのだ。
www3.nhk.or.jp NHKはじめ日本のメディアの記事では「シンガポールの会社」って簡単に報じているけど、海外メディアははっきりと名前を出している。その会社は、悪名高き「ブラック・タイディングス」。当時、実力者の国際陸連会長への賄賂の窓口とみられていたペーパーカンパニーで、ロシアのドーピング疑惑を告発したドイツの公共放送局の調査報道で初めて名前を聞いた。ドイツの取材班はこのとき、実際にシンガポールの住所まで訪ねて実体がないことを暴いている。
コンサルタント料という名目だったとしても、そんな会社に大金を振り込めば怪しいと思われても仕方がない。だいたい、この買収疑惑自体、ロシア・ドーピング疑惑のカネを追いかけているうちに出てきた話みたいだし...。
この話、これまで熱心に取材・報道していたのはFACTAぐらいだった。例えば、
2016年3月号では
2016年7月号でも
そして、2018年3月号でも
FACTA、オリンパス問題でもしつこかったけど、東京五輪買収疑惑も追っかけ続けていた。ほかはどうかと思って、改めてGoogleを検索してみたら、東洋経済も頑張っていた。
toyokeizai.net こうした報道を見てきていると、今回の報道が出てきても、「東京五輪が買われた」ということ自体に驚きはない。驚くとすれば、フランスの捜査当局がまだ諦めていなかったことだろうか。
この話、日本のメディアの大勢はフランスの報道を淡々と伝えた第一報のあと、どうカバーしていくのだろう。FACTAも東洋経済も広告依存度は低そうだけど、東京五輪で一儲けを考えているメディアは「もうフランスはぁ。来年のオリンピックに向けてみんなで盛り上げようと思っているときに空気を読まないやつだなあ。ゴーンを逮捕した仕返しか」とか思っているんだろうか。で、いつものように黙って嵐が通り過ぎるのを待つのか。
Amazonを見ていると、東京オリンピック、書籍出版の世界ではバラ色、夢いっぱいモノだけじゃなくて、こんな本も出ていた。
これも東京五輪に関連したひとつのジャンルかも。裏オリンピック物語か。