今年のアカデミー賞はコーエン兄弟ショー

全米最大の映画の祭典、第80回アカデミー賞の授賞式が24日夜(日本時間25日午前)、ロサンゼルスで開かれ、作品賞に、麻薬密売に絡むサスペンス「ノーカントリー」、監督賞に、同作品のコーエン兄弟が選ばれた。主演男優賞は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスさん、主演女優賞は「エディット・ピアフ 愛の讃歌」のマリオン・コティヤールさんが受賞した。

ミラーズ・クロッシング(スペシャル・エディション) [DVD] ファーゴ (ベストヒット・セレクション) [DVD] 今年のアカデミー賞コーエン兄弟のための授賞式だった。脚色賞、監督賞、作品賞で三度、オスカーを受け取っていた。コーエン兄弟、好きなんだけど。カンヌのパルムドールを取った「バートン・フィンク」は今ひとつ乗り切れなかったのだが(面白いには面白いんだけど)、「ミラーズ・クロッシング」で心を奪われ、「ファーゴ」で感嘆した。自分の世界を持っている映画作家。このところ、やや不調に見えたが、これで完全復活だなあ。ジョエル・コーエンの夫人のフランシス・マクドーマンドの姿も客席に見えた。
 もうひとつ今年の賞の特徴は俳優陣では海外勢が圧勝したこと。主演男優賞のダニエル・デイ・ルイス助演女優賞ティルダ・スウィントンは英国、主演女優賞のマリオン・コティヤールはフランス(「TAXi」シリーズに出ていたんだよなあ。あのときはオスカー女優になるとは想像できなかったけど)、そして助演男優賞ハビエル・バルデムはスペイン。欧州勢に席巻された形。それだけグローバル化しているということだろうか。