菅内閣支持率、第2次内閣改造のご祝儀効果も乏しく、30%前後に回復しただけ

 再度の内閣改造で「最強の態勢」を打ち出した菅内閣に関する各メディアの世論調査の結果が早くも出始めた。内閣を改造をすると、最初はご祝儀的な期待が出るものだが、世の中の反応は冷たい。
 まず、読売新聞は...

読売新聞社は、菅再改造内閣が発足した14日から15日にかけて、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。 内閣支持率は34%で、前回調査(昨年12月3〜5日実施)の25%から9ポイント上昇した。しかし、不支持率は55%(前回65%)に上り、菅内閣が今後、政策面で実績を上げられるとは思わない人は70%に達した。小泉内閣以降の改造時支持率では、2008年8月の福田改造内閣の41%を下回る最低を記録した。菅再改造内閣の顔ぶれでは、たちあがれ日本を離党した与謝野経済財政相の起用を「評価する」は34%で「評価しない」49%が上回った。

 25%から34%に戻る。30%台を回復したものの、支持率は国民の3分の1といったところ。迫力には欠ける。この記事に出てくる福田康夫改造内閣は8月2日に「安心実現内閣」を標榜してスタートしながら、9月1日には福田首相が政権を投げ出してしまったんだな。
 で、次に毎日新聞...

毎日新聞は14、15両日、菅再改造内閣の発足を受けて緊急世論調査を実施した。内閣支持率は29%で、昨年12月に実施した前回調査と比べ、5ポイントの上昇。一方、不支持率は7ポイント減の49%で依然、不支持が支持を上回る結果となった。菅直人首相は税と社会保障の一体改革に向け、「たちあがれ日本」の与謝野馨元共同代表を経済財政担当相に起用したが、この人事を「評価しない」との回答が55%に達した。内閣再改造は政権浮揚にまで至らず、菅首相政権運営は厳しさを増している。

 24%から29%。こちらの調査結果は読売よりもひどくて、わずかながら30%に届かず。与謝野経済財政相の起用も読売の調査同様、評価れていない。
 続いて、日本経済新聞...

日本経済新聞社テレビ東京が菅再改造内閣の発足を受けて14、15両日に実施した緊急世論調査で、内閣支持率は31%と、昨年12月の前回調査から5ポイント上昇した。再改造内閣民主党執行部の顔ぶれを「評価しない」が51%に達するなど、政権浮揚効果は限定的だった。政党支持率民主党が4ポイント低下の25%、自民党は前回と同じ28%で、2009年9月の政権交代後、初めて逆転した。

 こちらは26%から31%。読売と毎日の間。30%はかろうじて回復。民主党政党支持率が下がっていることが強調されているが、かといって、自民党の支持率が上がっているわけでもない。自民の支持率も3割以下なんだから、自慢もできない。民主党オウンゴールでリードしているだけだなあ。
 最後に共同通信...

共同通信社が菅再改造内閣の発足を受け実施した全国緊急電話世論調査によると、内閣支持率は32・2%と先月下旬の前回調査から8・6ポイント上昇。強制起訴される小沢民主元代表に58・7%が議員辞職を要求し、22・4%が離党すべきだと答えた。消費税率引き上げに賛成は54・3%で、反対の43・3%を上回った。民主党支持率は前回20・6%から22・7%へアップ、前回の24・6%から24・1%に微減の自民党支持率に接近。

 23.6%から32.2%。やはり3割強の支持率といったところ。回復力に欠ける。共同の調査では、民主党の支持率も上がってはいるが、誤差の範囲。自民党の支持もほとんど変わっていない。これから、NHK、朝日、産経も数字を出してくるのだろうが、30%前後の支持率といったところなんだろう。
 前回、昨年9月の内閣改造の際には、読売、毎日、共同の調査で支持率が60%台に跳ね上がった。その成功体験が忘れられず、夢よ、もう一度と、反小沢カードと内閣改造カードを切ったのだろうが、小沢氏との対決はクリンチ続きのつまらないボクシングみたいだし、「最強の態勢」である内閣の目玉が、民主党でもない与謝野氏なんじゃ、支持率急回復にはつながらないだろう。
 それにしても、郵政・金融を国民新党、経済財政・税と社会保障を元自民・前たちあがれ日本の与謝野氏と、日本経済の未来を決めるうえで要とも言えるポストを多党に委ねる民主党政権って一体、何なのだろう。経済が全くわからないだけなくて、担う自信もないのだろうか。自民党自民党で、熟し柿作戦というのか、敵失ばかりを待っている様子で、引いて守るだけ。得点を狙った攻撃には出てこない。まあ、攻撃に出なくても、自陣でボールを回してオウンゴールをしているのが今の民主党みたいだけど...。
【1月17日追記】
 TBSなどJNN世論調査も出てきた。

菅「第2次改造内閣」の支持率は、28.3%と改造前より小幅の支持率アップにとどまったことがJNNの世論調査でわかりました。
調査はこの土日に行いました。それによりますと、菅「第2次改造内閣」の支持率は28.3%と、改造前の先月より6.3ポイントアップしたものの、30%台の回復には至りませんでした。不支持は6.3ポイント下がって70.6%で、依然「不支持」が「支持」を大きく引き離しています。

 22.0%から28.3%。土日ということは、15日、16日の調査。時を追うごとに、数字が落ちていくのかもしれない。
【やぶしらず通信・関連ログ】
菅内閣支持率、読売の調査でついに25%に(2010年12月5日) => http://t.co/shRu7kO
内閣改造後も菅内閣支持率は上昇 (2010年9月19日) http://t.co/19bsLGA
代表選後の世論調査に見る菅首相支持率(2010年9月16日)http://t.co/bAlN0ry
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