アメリカン・サイコ

 ウォール・ストリートの若手エリートが連続殺人犯というクリスティアン・ベール主演の映画。殺人の狂気にとりつかれるきっかけは、自分より良い名刺を持っているとか、いつも予約満杯の超一流レストランで予約されたとか、名前を間違えられたというところから発生する嫉妬。ファッションとか、グルメとか、きわめて細かな差異にこだわり、競争し、狂っていくというのは現代を象徴している。それは米国だけでなく、日本も同じだし、先進国全般に通じたことかもしれない。恐ろしいスプラッター・スリラーというよりも、ブラックユーモアに満ちた文明批評の映画という感じがする。主人公の恋人役でリース・ウィザースプーンキューティ・ブロンド」)、セックス・フレンドでサマンサ・マシス(「ブロークン・アロー」)、秘書役でクロエ・セヴィニー(「ニュースの天才」)が出ていた。
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