エジプトで "クーデター"。イスラム原理主義のモルシー大統領を軍が "解任"

大規模な反政府デモが続いていたエジプトの軍トップ、シーシー国防相は3日夜、モルシー大統領に代わりアドリー・マンスール最高憲法裁判所長官が暫定大統領に就くと宣言、モルシー政権は軍部による事実上のクーデターで崩壊した。同時に憲法も停止された。モルシー氏の所在は不明だが、同日夜、報道機関などへの電子メールでの声明で、軍部の動きは「不法」だとして国防相の宣言を拒否した。同氏の出身母体であるイスラム原理主義組織ムスリム同胞団も強く反発しており、反モルシー勢力や当局との武力衝突に発展する恐れがある。

 イスラム同胞団を基盤としたモルシー大統領に対する反発が続いていたエジプト。軍が警告を発していたが、スローモーションのようなクーデターで大統領を解任、憲法を停止する。「アラブの春」の産みの苦しみは続くのだなあ。実務よりも宗教を優先したのでは、国として機能しないだろうし、SNSで革命を起こすところまで来ている国民を満足させることはできないだろうなあ。寛容という言葉は原理主義になじまないのだろうか。でも、寛容がなければ、政治も統治もできないような気がするが...。しかし、日本だって明治維新のときには佐賀の乱西南戦争という内戦の過程があったし、戦後にしても死者が出るようなデモが70年代近くまであった。どの国にもある近代化の過程での軋轢なんだろうか。
★ エジプト軍、大統領の権限剥奪 ムルシ氏軟禁:CNN.co.jp => http://bit.ly/12n27wC

アラブ革命はなぜ起きたか 〔デモグラフィーとデモクラシー〕

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