吉本浩二『さんてつ―日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録』

 朝の連続テレビ小説あまちゃん」は今週から東日本大震災の話に入ってきたが、大吉さんの北三陸鉄道のモデルになっている三陸鉄道北リアス線南リアス線)の震災の現実について知りたくなって、読んだ。コミック・ジャーナリズムによる三陸鉄道復興へ向けての苦闘。運行中の2つの列車が奇跡的に助かったこと、その1台はトンネルの中で停車したこと、震災後、わずか5日で久慈−陸中野田間の運転を再開させたことなど、「あまちゃん」は現実をベースにしていることを改めて知る(久慈は北三陸のモデル)。震災から2年半、オリンピック誘致に浮かれたり、被災地の外では、震災は早くも風化し始めている感じがするが、この本を読んでみると、震災・津波の凄まじさとともに、復興へ向けて一つひとつ、できることを日々積み重ねていく、三陸鉄道の人々の姿に感動する。最初はマンガかと思ったりもしたのだが、コミックというのもルポルタージュの方法として有効なのだなあ。巻末に『遺体』の著者、石井光太氏と『さんてつ』の吉本浩二氏の対談が収録されており、これもまた印象的。
 この本、Kindle版で読んだのだが、紙版も当然ある。で、Kindle Paperwhiteでは、資料編は読みにくくて、iPadKindleアプリで読んだ。
さんてつ: 日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録 (バンチコミックス)

さんてつ: 日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録 (バンチコミックス)