ノーベル文学賞は、カズオ・イシグロ。決まってみれば、今年は納得。

スウェーデン・アカデミーは5日、2017年のノーベル文学賞を長崎出身の英国の小説家、カズオ・イシグロさん(62)に授与すると発表した。

 ノーベル文学賞の季節になると、日本は村上春樹祭りと化すが(ご本人にとっては、ファンと称する人たちやメディアによる毎年恒例の花見のような大騒ぎほど、迷惑で無神経なものはないのだろうが...)、今年の受賞者は、カズオ・イシグロ。そうだ、カズオ・イシグロがいたのだ。本を読まない人たちへのウケを狙ったとしか思えない昨年のボブ・ディランと違って、今回は決まってみれば、まっとうな選択のように思える。
 村上春樹も好きだけど、カズオ・イシグロ、好きなのだなあ。例えば、映画やテレビにもなった、こちら。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」を読む - やぶしらず雑録 YabuDK Note
 テレビは今一つ(ふたつか三つか)だったけど(もともと連ドラにするタイプの話じゃない)、原作は面白かった。そして、日本も含め、世界各国がいま直面している歴史の問題を物語の世界に昇華して描いているのが、こちら。
忘れられた巨人

忘れられた巨人


カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』を読む - やぶしらず雑録 YabuDK Note
 現代の気分からいうと、心に残るのは後者だなあ。読みやすく、そして深い。現代と向き合っている作家。
 そして、英ブッカー賞受賞作のこちらは有名だが、映画しか見ていない。 アンソニー・ホプキンスエマ・トンプソンが良かったなあ。ノーベル文学賞受賞を記念して、こちらを読んでみるかなあ。長崎に生まれ、5歳で英国に渡った人間が英語で表現し、評価される。本当は英語で読んで、味わうべきなんだろうなあ。
日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

The Remains of the Day

The Remains of the Day