トーマス・リモンチェリ「エンジニアのための時間管理術」
- 作者: Thomas A. Limoncelli,株式会社クイープ
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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で、参考になったところは
迷ったときは捨てる。
そして以下の手順に従います。
1.ファイルにとじてよいものはそうする。
2.未処理の仕事は積み重ねて、すぐに取りかかれるようにする。
3.残りものはすべて、「今から3カ月たっても開かれなかった場合は、捨ててよし」と書いた大きな封筒に入れ、封をする。
3カ月後、中身を見ずに封筒を捨てるには、とても勇気がいるでしょう。中身についてあれこれ考えたり、あとで必要になるかもしれないとぐずぐず悩んだりしないことが肝心です。封筒を捨てる決意をしたら、以下のモットーを繰り返します。
迷ったときは捨てる。もしも必要になったら、関係者からコピーをもらえばよい。
「捨てる技術」だけど、これで行かないと、すぐに資料がたまってしまうだろうな。かなり思い切って捨てているつもりでも、たまっていくし、いつかは使えると思ったまま、気がついてみたら、2、3年たっていたなんていう書類はいっぱいあるもんなあ。
で、オーガナイザーの条件としてあげているのは、「携帯性」「信頼性」「管理しやすいサイズ」で、要素としては「カレンダー」「長期的な目標のリスト」、そして毎日の欄には「作業リスト(その日だけの優先順位の付いたリスト)」「スケジュール(その日の1時間単位のスケジュール)」があるといいという。で、「フランクリン・プランナー」(フランクリン・コヴィ)やFilofaxが紹介されている。
作業リストが消化できなくなったときの方法としては、「推定所定時間を変更する」「委任する」「優先順位を確認するための意見を上司に求める」「会議または約束を延期する」、そして「残業する」だが、で、日本人にとっては「残業」ばかりになってしまうんだが、筆者は残業に厳しい。
この選択肢は、単に完全を期すためのものである。これは最悪の選択肢と言わざるを得ない。ほとんどの人が生産的に仕事をこなせるのは、1日に4〜5時間である。それ以上は、無駄骨を折るだけだ。
明快だなあ。仕事は勤務時間で終わらせるという考えが基本なんだなあ。それ以上、自分の力を会社には売っていないと。
ITエンジニアというと、メールの量も半端ではないし、このあたりをどう処理するのかに興味があったのも、この本を読み始めた理由だったのだが、それは
・フィルタ
・読まずに削除
・読んで・・・
・削除
・保管
・返信して削除
・委任または転送して削除
・すぐに実行して削除
ともあれ、捨てる、捨てるというのが基本。削除して、あとで必要があったら、ゴミ箱を探せばいいじゃん、という考え方。ゴミ箱を空にしてはいけないんだな。で、保管も「Save」と「Receipts」(金融に関するメッセージ)の2つに分けるだけ。細かくフォルダーに分けるよりも、このぐらいでいいのかも。フォルダーを細かく分けると、メールの処理だけで時間を食ってしまうので、それは時間ムダという考え方。合理的だな。
会議進行のアドバイスとしては
・常に24時間前に告知メールを送信する。
・進捗会議と作業会議のどちらかであるかを明確にする。
・日付を完全に記す。
・時間を完全に記す。
・必要なドキュメントへのURLを盛り込む。
・議題の一覧(議論される問題の概要)を盛り込む。
・5分前に到着しているようにする。
・開始時刻に全員が揃っているようにするには、午後2時からの会議が始まることを知らせるのではなく、午後1時54分から始まることを知らせる。なぜ、そのような中途半端な時間に始まるのかに興味を引かれて、人々が集まってくる。
・常に時間どおりに開始する。
なるほどね。テレビの見方が、ITエンジニアらしく合理的で、テレビをつけて、そのときに放映している番組を漫然と見るのは時間の無駄。見たい番組はHDDレコーダーに録画して見る(「ほとんどのギークは、Linuxエンジンで動作するTIvoに魅了されます」ということで、筆者もTIveを使っているとか)。で、これにもルールがあって
ルール1
番組を最後まで観たら、削除しなければならない。
ルール2
自動録画される番組のリスト(シーズンパス)に何かを追加したら、同じ長さと頻度の番組を削除しなければならない。あるいは、毎月少なくとも1時間分のシーズンパスを削除しなければならない。
ルール3
自動的に削除されるほど古くなった番組は失効させる。日付の延長は行わない。「あとで観る時間を見つける」という理由でテープにアーカイブすることは認められない。
そうなんだなあ。いつか、観るかと、いつまでもHDDに残しておいたり、いつかは観るだろうと、DVDに焼いてしまったりするんだなあ。でも、ほとんど観ることはないんだけど。
もうひとつ、いかにもITエンジニアらしい、作業の自動化に関する話。
アプリケーションのGUIを作成することの90%は、苦闘の連続かもしれません。ここに、ユーザーインターフェイスを手っ取り早く作成する方法があります。データをMicrosoft Excelで管理し、データをサーバーにアップロードして処理するためのマクロを作成するのです。
エクセルって本当にいろいろな利用方法があるんだなあ。