「恐縮です」の梨元リポーターが死去

芸能リポーター梨元勝さんが入院先の東京都内の病院で死去していたことが23日、明らかになった。65歳だった。所属事務所などによると、亡くなったのは21日午前5時19分。死因は肺がんで、梨元さんは治療のため、6月から都内の病院に入院していた。東京都出身。

 年上の知り合いのビジネスマンに、週刊誌の取材記者だったころの梨元さんから経済問題の取材を受けた人がいた。「説明しても、なかなか理解してくれないんだよ。でも、かわいいんだよね。だから何度でも説明してしまうんだけど」と話していたのを思い出す。いい人なんだろうと、そのとき思った。合掌。

高橋洋一『日本経済のウソ』

日本経済のウソ (ちくま新書)

日本経済のウソ (ちくま新書)

 タイトルに補足すると、「日本経済の常識のウソ」「日銀デフレ不況」「日銀・財務省のウソ」といったところかもしれない。日銀のデフレターゲット政策と財務省の指導下に入った民主党政権では、日本経済は救われないという本。それがさまざまなデータをもとに実証的に語られる。
 目次で内容をみると...

 はじめに----日本経済のウソと真実を見抜け
第1章 日本はなぜ不況なのか?---デフレ不況の経済学
   1. 日本はなぜデフレなのか?
   2. デフレは誰の責任か?
   3. 正しいデフレ対策とはなにか?
第2章 危機はいかに克服されるか?---危機克服の経済学
   1. これまで、どのようなデフレがあったか?
   2. 歴史からなにを学ぶのか?
   3. いかに金融システムを安定させるのか?
第3章 これからの日本経済はどうなるか?---国家再建の経済学
   1. 日本経済はどうなっていくか?
   2. 日本はなぜ正しい金融政策を行えないのか?
   3. 日本の未来はどうなるか?

 本書の大半は、日銀批判に当てられる。金融政策を無視した日銀の“デフレターゲット”政策が日本経済を不況に沈み込ませているという主張は納得できる。本当に金融政策でできることはないのか。首相と日銀総裁が電話会談するのも大騒ぎになっている状況を打開するために、高橋氏が主張するように、小泉政権時代に強化された経済財政諮問会議を復活させてもいいのではないか。日銀の独立性とは、「目標の独立性」ではなく「手段の独立性」だ、と高橋氏はこの本だけでなく、いろいろなところで書いているが、日銀法改正というのも、いずれ議論になってくるのだろうか。
 今日も日経平均は年初来安値を更新。さらに円高が進むのではないかという不安感も消えない。なんで、こんなことになってしまっているのか、理解するのに最適の本。日銀側の反論も読んでみたい気もするが。