大串夏身『チャート式情報アクセスガイド』

チャート式情報アクセスガイド

チャート式情報アクセスガイド

 大学教授で自らも副図書館長の著者による情報アクセスガイドの労作。用途別に細かく情報収集の仕方が紹介されており、内容は盛りだくさん。ただ、「チャート式」とあるものの、チャートの図は13点と、それほど多くない。各ページ(チャートも含めて)、文字がぎっしり入っていて、この本自体の情報へのアクセスがあまり良くないところが難点。それでも中身はみっちり詰まっているので、レファレンス本として役に立ちそう。読む本というより、何か調べるときのために机に置いておく本かもしれない(ただ、2006年の出版なので、秒進分歩のネットの世界ではちょっと古いかもしれない。レファレンスとしては現時点では、伊藤民雄『インターネットで文献検索 2010年版』のほうがいいのかも)。
 ということで、目次で内容をみると...

0はじめに
 情報・文献を調べるのはむずかしい.......?/実例.ちょっとしたつまずき/研究者・学者にも
1事項・主題について調べる----一般的な調査の方法
 調査ルートの俯瞰図/情報源を特定する6つの方法/一般的なインターネット上の情報検索の方法
2情報・文献を入手する方法
 最新の情報を探す/何かまとまった情報や文献はないか?/網羅的に情報と文献を収集したい/現物を手に入れる
3言葉の意味および一般的な事実の調べ方
 言葉の意味を調べる/言葉や地名のよみを調べる/一般的な事項(事実)の調べ方
4分野別調査の方法
 行政(官公庁・地方自治体)関係の情報を探す/法令・条例・判例を検索する/ビジネス情報を調べる/人物情報について調べる/団体を調べる/統計を調べる/地図・地価を調べる/特許・企画を検索する
サイトページ索引

 4の「分野別調査」のお役立ち度が高い。個人的には、法令、特許も含めて行政関連情報の検索についての知識が弱かっただけに参考になった。
【やぶしらず通信・関連ログ】
 伊藤民雄『インターネットで文献検索 2010年版』 => http://t.co/5HbNwJV

インターネットで文献探索 2010年版 (JLA図書館実践シリーズ 7)

インターネットで文献探索 2010年版 (JLA図書館実践シリーズ 7)

やはり2012年の米国大統領選に、あのペイリンが出てきてしまう?

米保守派グループ、ティー・パーティーのリーダー的存在であるサラ・ペイリンアラスカ州知事(46)は、自分が2012年の次期大統領選に出馬すればオバマ大統領に勝利できるとの考えを示した。ペイリン氏については、2012年の大統領選出馬の観測が広がっており、同氏もそれを打ち消すような行動を取っていない。

 米国保守派、ティーパーティ運動の勢いに乗って、あのペイリンが大統領選挙に意欲満々の様子。共和党の支持がとれなかったら、ティーパーティを第三党にして、そこから出るぞ、と脅したりするのだろうか。オバマへの失望で、米国はまたまた右旋回するのか。あるいは、早くからペイリンが出てくることで、共和党の中道派が危機感を持つのか。中間選挙が終わり、早くも2年後へ向けて政治的な駆け引きが激化しそうだな。でも、この結果、経済対策は進まず、米国の景気は二番底に落ち込み、そこで双方が罪をなすりつけあって...ーーなどという負の連鎖が起きてしまったら....、心配性だから、悪い方へ悪い方へ考えてしまう。
 ペイリンを見ていると、なぜか、フランクリン・ルーズベルトと大統領の座を争おうとし、非業の死を遂げたルイジアナ州知事、ヒューイ・ロングを思い出してしまう。稀代のポピュリストで独裁者で、映画「オール・ザ・キングスメン」のモデルになった人物ルーズベルトとヒューイの対立を描いた「アメリカン・ファシズム」という本もある。ペイリンとロング、政策や思想などは違うのかもしれないかもしれないが、アジテーターとしての卓越した能力は両者に共通しているものを感じてしまう。
Going Rogue: An American Life 民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ) アメリカン・ファシズム―ロングとローズヴェルト (講談社選書メチエ)

ワールドカップ候補地の評価報告に見る日本の問題ーー日本はコスト音痴?

日本は社会インフラのほか、02年W杯やクラブW杯の運営を成功と認められた。ただし、スタジアムについては、将来のW杯に求められる規模や質が満たせるか特別な注意が必要とされた。また、欧州との時差からテレビ放映権料を中心とした商業収入は減る恐れを指摘され、政府保証も十分でないとされた。日本の最新技術を駆使した「次世代W杯」構想については記載はあったものの評価はなかった。大会予算の見積もりは8億4340万ドル(約700億円)で18年大会も含め9候補中最大。

 朝日に、2022年ワールドカップ9候補地についてFIFAがまとめた調査報告書の記事が出ていた。上は、その日本に関する部分。時差は仕方がない。政府保証も現在の財政事情を考えれば、致し方ないかもしれない。スタジアムは「特別な注意」をすればいい。気になったのは最後の部分。予算見積が「18年大会も含め9候補中最大」。商業収入の問題を抱えているのに、コストが最大って何なのだろう。自慢の「次世代W杯」構想は「日本の最新技術を駆使」しているのかもしれないけど、コスト的に過大、オーバースペックということだろうか。それとも人件費の問題か。
 こんなところにもハコモノ主義的発想が出てしまったのか、コスト度外視のお役所主義発想が露呈したのか。円高のためにドルベースにすると数字が膨らんでしまったのだったとしても、それを克服した国際競争力をもったコストにするのがマネジメントだが、とすると、経営力自体が世界の中で貧弱だったのか。何だか、日本の政治、経済、社会が抱える問題を象徴しているような...。

日経平均が5カ月ぶりに1万円の大台回復

日本株の上昇が続いている。18日の東京株式市場で、日経平均株価終値は前日比201円97銭(2.06%)高の10013円63銭となり、6月22日以来約5カ月ぶりに1万円の大台を回復した。欧米やアジアなど海外主要市場に比べて出遅れてきた日本株に対し、見直し買いの動きが広がった。相場の重荷となってきた為替の円高進行も一服し、主力の輸出関連株に買い安心感が広がってきた。

 円高も一服、株式相場も回復。米国も欧州も日本も超金融緩和だが、その過剰流動性の波がついに日本にもやってきたのか? いわゆる「不況期の株高」。実物投資に回らないカネが株に回ってミニ資産バブルなんていうことが起きるんだろうか。欧州はアイルランド救済に揺れ、米国もティーパーティが勝利して、金融緩和に見直しムードもあるし、まだまだ一荒れ二荒れありそうだけど、日本は売り込まれているだけ、まだ買いやすいのかな。

ウィリアム王子の結婚は英国に800億円の経済効果。結婚をネタにした賭けも盛り上がる

 ウィリアム英王子とケイト・ミドルトンさんが来年予定している「ロイヤルウェディング」は、英国経済に6億2000万ポンド(約820億円)の押し上げ効果をもたらすという。調査会社バーディクトが17日発表した。チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の長男であり、王位継承順位第2位のウィリアム王子は16日、ミドルトンさんとの婚約を発表。挙式は来年の春または夏に行われる予定だが、小売り大手アスダはすでに、1個5ポンドの婚約記念マグカップを売り出している。

 世の中、何でも数字に置き換えて考える人たちがいるが、英国のウィリアムズ王子の結婚効果も早速、計算されている。800億円かあ。便乗して騒ぐ英国以外の国々もあるから、世界全体でみると、1000億円を超えるのかな。で、結婚式が終わったら、今度は、最初の子供は男か女か、名前は何かで賭けをするんだろうな。英国のことだから...、と思っていたら甘かった。既に賭けは始まっていた。

ウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの婚約発表から一夜明け、イギリスでは、結婚式の日取りから、ドレスの色などをめぐる賭けが早くも活況になるなど、久しぶりの王室の慶事に沸いている。ロンドンのブックメーカーでは、ケイトさんの結婚式での衣装のデザイナーの名前、そしてハネムーンの行き先が、早くも賭けの対象になっている。ブックメーカー会社の広報担当者は「74%の人が、新婚旅行の場所はケニアだと賭けているよ」と話した。

 まあ、よく考えてみれば、英国人が、こんな面白い話を放っておくわけはないな。ちなみに、日取りについては、こんな報道が

Prince William and his fiancee Kate Middleton's wedding date has certainly become talk of the town. Paddy Power is offering bets on the royal wedding, with the Saturday August 13 the current favourite at 3/1. Saturday August 6 has odds of 4/1, while Saturday July 30 - which is just a day after what would have been the 30th wedding anniversary of William's parents, the Prince of Wales and Diana, Princess of Wales - is on offer at 10/1.

 結婚式は今のところ、2011年8月13日(土)が3対1で一番人気のオッズ。続いて、8月6日(土)が4対1。チャールズ、ダイアナ成婚30周年の7月30日(土)は10対1のオッズだとか。好きだなあ。ともあれ、結婚をめぐり、英国では一気にカネが動くなあ。
ナショナル ジオグラフィック[DVD] 世界のロイヤルファミリー プリンセス・ダイアナと英国王室物語―世界を騒がせたロイヤル・ヒロインたちの愛憎劇 (別冊歴史読本 (96)) イギリス人は何にでも賭ける─そのチャレンジング・スピリットの由来