錦織、全米オープン初戦敗退。今年もATPファイナルズに残れるかと、ポイントを見てみると...

テニスの四大大会の最終戦全米オープンは31日、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで開幕。男子シングルス1回戦で世界ランキング4位で第4シードの錦織圭(25=日清食品)は世界41位のブノワ・ペア(26=フランス)に4―6、6―3、6―4、6―7、4―6で敗れ、日本選手初となる四大大会制覇の夢は初戦で散った。

 昨晩、第3セットの途中まで見て、危ういなあ、と思って朝起きてみたら、錦織は初戦敗退。こういうことが起きるのだなあ。今年は体調も良く、組み合わせのドローもいいということで、グランドスラム初優勝か、という声も出ていたが、好事魔多しというか、こういう結果に。グランドスラムのファースト・ウィークは、優勝へ向けてセカンドウィークにピークを持っていこうとするトップ選手が調子に乗らないうちに下位の選手に負ける番狂わせが多いというけど、錦織もその洗礼を受けたわけだなあ。これも経験ということか。
 で昨年、錦織は全米オープンで準優勝していただけに、これで一気に1200ポイントを失ってしまう。ATPのランキングを見ると...
 1.ジョコビッチ 14865(昨年全米分 720)
 2.フェデラー   9065(      720)
 3.マレー     8840(      360)
 4.錦織      6205(     1200)
 5.ワウリンカ   5710(      360)
 6.ベルディヒ   5230(      360)
 7.フェレール   3695(       90)
 8.ナダル     3680(        0)
 9.チリッチ    3550(     2000)
10.ラオニッチ   2880(      180)
★ATP男子シングルス・ランキング => Rankings | Singles | ATP World Tour | Tennis
 意外と貯金を持っているのだな。1200失っても、かろうじて5000台。ワウリンカには抜かれるけど、ベルディヒは初戦で負ければ、5000割れだし、あとの選手たちは今回の結果次第。フェレールナダルは優勝しない限り、錦織を抜けない。6位と7位に断層があるのだな。昨年の後半の試合結果をみると、錦織はマレーシア・クアランプール・オープン優勝の250ポイントと楽天ジャパンオープンで優勝した500ポイントがあり、これがリセットされる。今のところ、ラオニッチがこれから連戦連勝で大躍進し、大幅にポイントを積み増すことでもならない限り、年間上位8選手が出場するATPファイナイルズ(ロンドン)もまあ大丈夫かな。チリッチは全米連覇したとして、3550だし、年内にランキングを上げていくのは大変だなあ。出場する大会、全部勝つぐらいの勢いじゃないと、ATPファイナルズは厳しいかも。
 ポイントを見ていると、問題はむしろ、錦織自身が初戦敗退のショックを引きずって、メンタルに落ち込まないことだなあ。今後、出場が予定されている楽天ジャパン(500)、上海(1000)、バーゼル(500)、パリ(1000)で結果を残して、盤石の状態で年末のロンドンに臨んでほしいものです。
錦織「やっぱり悔しい」 敗因は「タイブレークを引きずった」 ― スポニチ Sponichi Annex テニス
松岡修造氏、錦織の初戦敗退にショック隠せず「日本に帰りたい」 ― スポニチ Sponichi Annex テニス

錦織圭 限界を突破する瞬間

錦織圭 限界を突破する瞬間

東京五輪2020エンブレム使用中止。専門家ギョーカイの人は「王様は裸だ」というネットの声に陥落した?

2020年東京オリンピックのエンブレムについて、大会の組織委員会佐野研二郎氏がデザインしたエンブレムの使用中止を決めました。オリンピックのエンブレムが正式に発表されたあと、使用中止になるのは、極めて異例のことです。

 組織委員会の事務局長が記者会見を開いて経緯を説明していたが、専門家の先生方は往生際が悪いというか何というか...。佐野研二郎氏がつくったという五輪ロゴの原案と白井敬尚氏が制作したヤン・チヒョルト展のポスターとバナー。これが似ていることは、誰が見てもわかると思うのだが、佐野氏や選考委員長の永井氏によると、デザイナーからみれば、コンセプトも違うし、全然、別のものなのだという。おお、もっとも、(デザインに無知蒙昧な)国民には、この違いはわからないだろうと...。おお、そこまで言うか。しかし、ですね、ギンザ・グラフィック・ギャラリーのサイトにあるバナーにある文字を見て、普通の人はどう思うか...
★ 【ggg】Jan Tschichold ヤン・チヒョルト展 会場写真アップしました => http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/news/detail.cgi?t=1&seq=0000318&y=2013
はだかの王さま 同じでしょ。ポスターよりもバナーを見たほうがよりはっきりする。センセイ方の「国民にはわからないかも」話を聞いていると、デザイン・ギョーカイの人たち、「裸の王様」に出てくる詐欺師の仕立師みたいな...。「王様、これは素晴らしい服です。この服が見えないのはバカです」みたいな...。「ほら、わかるでしょ。このすごさが」と言っているような...。でも、裸は裸、そっくりはそっくり。パクったかどうかよりも以前に、あまりにも似ている。最初の発想がどうであろうが、独創的な作品を生み出せなかったことを恥ずかしいと思わないのだろうか。日本のデザイナーって、そんなに劣化し、堕落してしまったのだろうか。そこまでプライドを失っているのか。悲しいなあ。日本にも多くの独創的なデザイナーやアーティストはいるわけだし、その人たちにいかにも失礼だと思うけど。自分たちの言い訳の数々が日本のデザインを貶めていることに気づかないのだろうか。
 加えて、今回の一連の報道を見ていると、メディアの劣化も著しい。事務局長がチヒョルト展の問題を持ちだしているのに、いまだにプレゼン資料の無断使用問題のほうを語っているテレビもあった。「剽窃」ということをどこまでも封印したいのだろうか。自分の目で似ているものを似ていると言えないのだろうか。「王様、立派な衣装です」と言ってしまうタイプの人たちがメディアにも充満しているのだなあ。終始一貫、ネットの後追いだった。そして、ネットさえ見ていないと思えるテレビのアナウンサー、解説者も少なくない。チヒョルト店のバナー、ポスターは公式サイトにあるものですよ。いまだにネットは便所の落書きとか言って、見ないような人たちだろうか。確かにネットは玉石混交だけど、それはテレビ、新聞、雑誌の情報も変わらない。
亀倉雄策  YUSAKUKAMEKURA 1915-1997  ggg Books 別冊4(スリージーブックス別冊4) しかし、専門家と言われる人たちの信用はどんどん地に落ちていく。東日本大震災の時の原発村の人たちの解説ぶりもすごかったが、今回のデザイナー、広告、マーケティング関連のひとたちの身内を守ろうとする発言もなかなかだった。「T」を使っていれば、似たようなものになるって、何も「T」を使うことを決められているわけでもないだろうし、「東」だってなんだって、東京オリンピック2020を象徴するロゴの立て方はいろいろとあるだろう。1964年の亀倉雄策は文字をロゴ化しているわけでもないし...。加えて、アートやら、職人さんの世界で言えば、単純なものほど、その人の技量が現れる。単純な素材で、個性を表現できなかったことということは、それだけで一流ではなかったということなのだが、テレビの解説者は「違いを出すのは難しいですよね」とか、やたら同情的なんだなあ。それだけ、巨額の五輪マネーが動いていて、その前ではみんなおとなしくするということか。それともデザイナーの創造性に対するリスペクトさえないのだろうか。こんなこと言われて、デザイナーは怒らないのか。
 新国立競技場以来の利権にまみれたようなゴタゴタの数々を見ていると、東北の復興を犠牲にしてまで、金権五輪をやるべきなのかどうなのか、やっぱり考えてしまうなあ。オリンピックの5つの輪、キンキラキンのゴールド仕立てにするとか、スワロフスキーに頼んでキンキラにデコレーションしてもらうほうがいいのかな。そっちのほうが東京五輪2020を象徴しているかもしれない。いずれにせよ、亀倉雄策は泣いているだろうなあ。そして、同じ日本のデザイナーでも、独創性を日夜、追求している人たちは悲しいだろうなあ。東京五輪でドタバタしていた著名デザイナーの方々よりも、ふなっしーのほうが遥かに独創的だよなあ。もう時間もないことだし、ここは割りきって、キティちゃんに、ドラゴンボールくまモンに、ふなっしーと日本が世界に誇るキャラクターを総動員して、エンブレムをつくればいいんじゃない。クール・ジャパンらしいオリンピックとして受けるかも。ゴジラも加えておくか。