ユン・チアン「マオ」読書中断

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上) マオ―誰も知らなかった毛沢東 上 「ワイルド・スワン」のユン・チアンの話題作「マオ」を読み始めたのだが、上巻の途中で一端、読書中断。毛沢東伝説の仮面をはぐということで、事実に基づいてはいるのだろうが、これでもか、これでもかと毛沢東の非道さ、非人間性が語られる。スターリンヒトラーと同種の人間で、あるいは、ポルポトとも大差ない人間ということなのかもしれないが、なぜ中国人の心をこれだけ長期間捉え続けているのかがもう一つ見えてこない。スターリンも死後、スターリン批判が出たりしたわけだが。もっと読み進めば、そうしたことも含めて、わかってくるのかもしれないが、ジャレド・ダイアモンドの新作「文明崩壊」のほうが気になって、そちらを先に読むことにしてしまった。ただ、毛沢東が今も中国にとって、いかに重い存在かはわかった。毛沢東を中国国内で冷静に評価できるようになったときが、中国が成熟したときなのかもしれない。