岩井克人「貨幣論」
- 作者: 岩井克人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/03/10
- メディア: 文庫
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世界化された資本主義に真の危機があるとしたら、世界中のひとびとがドルから遁走をはじめ、ドルを基軸通貨とする貿易金融体制が分裂解体してしまう事態にほかならないことを意味している。現在、アメリカ経済は未曾有の繁栄を謳歌し、その主導のもとに、世界資本主義はいよいよその勢力範囲を拡大している。わたしはまさにこのようなときにこそ、資本主義の底流にある本質的な不安定性についての思考を進めておく必要があると思っているのである。
う〜ん。もともと、この本を本棚から取り出したのは、サブプライム問題をきっかけにドルの信認が揺らぎ始めたため、ドルって何?、貨幣って何なの?という疑問がきっかけだった。で、本の最後に最後に、いまの経済の最大の不安定要因として心配されていることが書いてあった。岩井氏はいま、この事態をどう見ているのだろう。続けて、「21世紀の資本主義論」を読んでみるべきなんだろうな。