国際的な監査法人デロイトは世界のサッカークラブの2009−10年シーズンの収入ランキングを発表し、スペイン1部リーグのレアル・マドリードが4億3860万ユーロ(約496億円)で6季連続でトップになった。AP通信が10日、報じた。上位6クラブに変動はなく、3億9810万ユーロ(約450億円)のバルセロナ(スペイン)が2位。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、アーセナル(イングランド)、チェルシー(イングランド)と続いた。
サッカークラブの長者番付。これを見ていて気がついたのは、上位チームは公式日本語サイトを持っていること。プレイするのは自国のリーグでも、マーケティングはグローバルに展開している。そうなると、自らのメディアであるウェブサイトも自国語だけでなく、市場性のある国々の言語に対応することになる。当然、そのなかに日本語も入ってくるというわけ。
まず、トップのレアル・マドリードの日本語サイトはこんな具合。
http://www.realmadrid.jp/
対応言語はスペイン語のほか、英語、アラビア語となる。日本語は公式モバイルサイトもある。
続いて、2位のバルセロナの日本語サイト
http://www.fcbarcelona.jp/
バルセロナはバルセロナらしく、トップに来る言語はカタロニア語。で、スペイン語、英語、中国語、アラビア語が並ぶ。バルセロナは「スペインのバルセロナ」ではなく「カタロニアのバルセロナ」なのだ。
3位のマンチェスター・ユナイテッドも日本語サイトがある。
http://www.manutd.jp/
英語のほか、スペイン語、アラビア語、中国語に加え韓国語がある。パク・チソンがいるからね。当然でしょ。
4位のバイエルン・ミュンヘンはどうかなあ、と思ったら、やはり日本語サイトがあった。
http://www.fcbayern.t-com.de/jp/
ドイツ語から始まり、英語、中国語、スペイン語。ブンデスリーガは世界展開にあまり熱心じゃないかと思ったら、ビッグクラブはやはり違う。
そして、日本とも馴染みのあるベンゲル監督のアーセナルの日本語サイト。
https://jp-arsenal.com/index.html
アーセナルは英語だが、本拠地の英国サイトだけでなく米国サイトも持つ。アジアだけで中国語、韓国語、日本語に対応。さらにタイにもサイトがある様子。アクセスする地域に関連する言語を表示する仕組みになっているようで、他の言語への対応状況はわからなかった。かなり極め細かいサイトづくり。
で、6位のチェルシーは英語、米語のほかは、ロシア語、イタリア語で欧州シフト。アラビア語やアジア系の言語はなかった。このあたりでトップ5との差が出てくるのだろうか。
ということで、世界のビッグクラブは日本マーケットへの対応策をしっかりしている。巨大マーケットである中国への目配りも忘れていない。レアルも早晩つくってくるだろう。こうした多言語対応は金満クラブだからできることかもしれないし、そこまでやっているから世界トップクラスの金満クラブになれたのかもしれない。インテル・ミラノや、ドルトムントをはじめ日本人選手を擁するブンデスリーガのクラブも早く日本語サイトをつくってほしいなあ。
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