カジノ

 マーティン・スコセッシ監督のマフィアが仕切っていた時代のラスベガス・クロニクル。マフィアによるカジノの盛衰を描く。ロバート・デニーロを主演に、ジョー・ペシシャロン・ストーンジェームズ・ウッズなど曲者の役者が揃う。デニーロも、ペシも、ウッズもお得意の役どころなのだが、デニーロの運命を狂わすどうしようもない悪女を演じるシャロン・ストーンがいい。ストーンは、此の映画でゴールデングローブの主演女優賞をとり、アカデミー賞の主演女優賞にもノミネートされているが、それがわかる好演。
 この映画は、デニーロでとったマーティン・スコセッシ最後のマフィア映画。このあとはレオナルド・ディカプリオがスコセッシのヒーローとなる。デニーロではなく、ディカプリオだからということではなく、スコセッシの力としては、この「カジノ」までが全盛期だった気がする。このあとは衰退期に入り、アカデミー賞が欲しくてたまらないといった感じの映画になっていってしまう。歳をとって、まるくなったともいえるし、毒も鋭さも薄くなってしまったといえる。
 要するに、「カジノ」は面白い。