横山秀夫『64(ロクヨン)』
- 作者: 横山秀夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: 単行本
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しかし、組織と人間、家族と人間という問題は不変で、読んでいると、何となく山本周五郎の小説を思い出してしまった。組織と人間、中央と地方、階層化された上司と部下、このあたりの問題って江戸時代と変わらないのかなあ。最近、話題の超大人気ドラマ「半沢直樹」にしても、構造は時代劇みたいな感じがする。耐えて、耐えて、一転、悪役が「へ、へぇー」と土下座する構図は「水戸黄門」だなあ。印籠じゃなくて、もっと知恵は使っているけど。この時代劇的に図式化された世界が、シナリオの力によるものか、池井戸潤の原作によるものなのか、わからないけど、現代の日本人の心情というのは、やっぱり江戸時代がに形成されたんだろうか−−。とか何とか、直接関係ないことも考えてしまったが、横山秀夫の「64」、推理小説として楽しめました。