楽天ジャパンオープン、錦織がラオニッチを撃破し、涙の優勝

男子テニスの楽天ジャパン・オープン最終日は5日、東京・有明テニスの森公園で行われ、世界ランキング7位の錦織圭(24=日清食品)はシングルス決勝で同8位のミロシュ・ラオニッチ(23=カナダ)を7―6、4―6、6―4で下し、同大会2年ぶり2度目、自身初の2週連続優勝を果たした。

 ラオニッチの豪速サーブが炸裂し、今日はラオニッチの日かな、と思ったが、全米オープンで異次元に入った錦織は違った。第1セットはタイブレークで競り勝ち、第2セットはラオニッチに力負けした後の第3セット、最後の最後で、ラオニッチの強力なサービスを打ち返し、完全勝利。フェデラーとか、ジョコビッチとか、ナダルとか、トップクラスの選手は勝負どころで攻撃力を一気に上げることができ、そんな場面になると、「ギアを上げる」といわれるが、錦織も「ギアを上げる」ことができる領域の選手になってきた。勝利を決めた最終ゲームはまさに、そんな場面だった。名実ともにトップ10クラスの選手といった風格だなあ。
Holding Serve: Persevering On and Off the Court しかし、勝利を決めた後、錦織は珍しく、感情を露わにし、泣いていた。日本での試合で、勝って当たり前のような雰囲気の中で、ものすごいプレッシャーだったのだなあ。ダブルスにまで出場させられるような無理難題を迫られる環境のなかで(当然、途中で棄権となったが)、勝ち抜いたことはすごいなあ。マイケル・チャンがコーチになって本当に強くなったなあ。チャン・コーチ後のニュー錦織の強さを再認識させた試合でした。
 で、この試合、WOWOWで見ていたのだが、ちょっとタイムラグをおいた中継をテレビ東京が放映していた。松岡の解説だったし、このところ、好調のテレビ東京、さすが!と思ったのだが、テニスの試合をどう考えていたのか、第2セットが終わったところで、放送時間がなくなりました...。うーん。大絶賛が大ブーイングになったんじゃないだろうか。錦織とラオニッチの対戦で、そう簡単に決着するというのはないでしょう。錦織が勝つにしろ、ラオニッチが勝つにしろ、2セットで勝負は決着すると思っていんだろうか。甘い。やっぱり、テニス中継をきちんと見るには、WOWOW(4大大会と楽天オープン)とか、GAORA(ATPの試合)とかがいいですよ、という新手の宣伝でもあったのだろうか。しかし、他の放送局、中途半端な放送ならば、放映権を寄こせよ、と思っているんじゃあるまいか。

 同じ顔合わせだが、2014年の2人はともに、このときよりも数段バージョンアップしていた