日本人は株式市場を信じない?ーー日銀の統計ミスで投信の家計保有額は30兆円過大。「貯蓄から投資」はガセ?

 毎日新聞に、こんな記事があった。

個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。

投資信託:家計保有額30兆円過大 日銀、統計ミス 「貯蓄から投資」実態は逆 - 毎日新聞

個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。
個人の代表的投資商品である「投資信託」の家計保有額が、日銀の統計作成時の誤りで30兆円以上も過大計上されていたことが判明した。近年順調に増加しているとされてきた投信保有額が、実際は減っていたことになり、「貯蓄から投資」が進んでいると信じてきた証券業界に衝撃が広がっている。

  びっくりです。安倍首相が2012年に政権を奪還してから、大盤振る舞いの超金融緩和を背景に株式相場は上昇。その一方、銀行に預けても金利はほとんどつかないし、もう貯蓄から投資しかない、と、個人の投信購入が増えているのか、と思ったら...。実際は減っていると...。しかも、日銀が統計作成のミス...。どんな具合かというと

 2005年以降の数値をさかのぼって改定した結果、17年12月末の家計の投信保有額は、改定前の109兆1000億円から約33兆円少ない76兆4000億円まで激減。個人金融資産に占める投信の割合も、改定前は12年の3・8%から17年の5・8%まで上昇していたが、改定後は14年の4・6%をピークに低下し、17年は4・1%まで下落していたことが分かった。
 これほど大きな修正が生じたのは、日銀が、ゆうちょ銀行が保有する投信を個人が保有しているものと誤って計算していたことが原因だ。

投資信託:家計保有額30兆円過大 日銀、統計ミス 「貯蓄から投資」実態は逆 - 毎日新聞

 あらあぁぁ。要するに、ゆうちょ銀行が持っていたんで、個人はむしろ保有を減らしていた...。アベノミクスで、貯蓄から投資へと、日本人のマインドも変わってきたというストーリーではなかった...。日本人は株式市場、特に投信をいまだに信じていないのか。やはりマーケットに対する不信は根深いのか。

 投信は、個人が株式投資を始めるのに最適の商品と言われながら(自分で銘柄探しをするよりも、プロに任せましょう。個別銘柄に投資するよりも、分散投資、さらに最近ではインデックス投資のほうが安全確実ですとか...)、現実には、何度も投信は個人投資家を殺してきたといわれてきた(殺すって大損をさせるという意味ね)。

 昭和39年(1964年)の東京オリンピックのあとの40年(1965年)不況のとき、80年代後半のバブル崩壊、そして、その後四半世紀余り、回復する、回復するといわれながら、いまだに日経平均の最高値から6割弱の水準。投信を信じた投資家は裏切られ続けた過去がある。

 投信に対する不信は根強いのだなあ。日本人のDNAに記憶されているのかもしれない。結局のところ、いくら「貯蓄から投資へ」と笛を吹かれても、笛吹について行く列はできず、ETFやら投信やらで、日本の株式市場を支えているのは、日銀なり、年金(GPIF)なり、実質的には半官半民といってもいいようなゆうちょ銀行であったりするのだろうか。そうであるなら、まさに官製マーケットで、個人投資家はますますマーケットを疑いの目で見てしまうなあ。

 でも、日銀って、自分たちの政策のために統計を集めているのだろうに、こんな体たらくで大丈夫なのだろうか。それともデータに基づく現実よりも、自分たちの信じたい「現実」をもとに意思決定するようになっていて、30兆円のミスなど、どうでもいいのだろうか。

 日本の株式市場といえば、こんな話もあった...

yabudk.hatenablog.com

 日本経済は、どんどん官製ワンダーランドになっていくような...。というか、日本経済の実体って本当はいま、どうなっているのだろう。日本の自画像を誰か、きちんとデータで描いてくれないだろうか。興味があるんだけど。

 でも、客観的データで、日本を知りたいというのはいまや少数派なのだろうか。主観が大切なのが21世紀か。「やってる感」の時代には、雰囲気が重要で(最近は株高だし、投信を買う個人、増えているんじゃね)、現実を精査することや数字に対するリアルな感覚(この数字、おかしくない?)は政策当局にとってもはや、あまり重要ではないのだろうか。確かに官僚の出世には関係ないか...。政策よりも忠誠心のほうが大切そうだし...。そんなこんな、いろいろなことを考えさせらる記事でした。

統計はこうしてウソをつく―だまされないための統計学入門

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