駐韓米国大使、ソウルで切りつけられる。そこで、思い出すライシャワー事件

マーク・リッパート駐韓米国大使が5日朝、ソウルで刃物を持った男に襲撃され、負傷した。米国務省によれば、命に別条はないという。ソウル警察によれば、事件が起きたのは5日早朝。襲撃にはかみそりの刃が使われ、大使は右のほおと手にけがをした。韓国テレビ局YTNによれば、容疑者は逮捕され、取り調べを受けている。聯合ニュースは、容疑者は55歳の男で、今週開始された米韓合同軍事演習への反対を口にしているとの当局者の話を伝えた。

 米国大使がソウルで暴漢に顔を切られる。うーん。民族主義を煽っていると、こういう暴発が起きるのだなあ。民族主義の中には反米主義も含まれるんだろう。「米韓合同軍事演習」に反対というのは、この暴漢、どういう論理だったのだろう。韓国の対米従属に反対という攘夷思想なのかなあ。この犯人、日本大使にも投石事件も起こしているという。韓国は、こういう人物に対する監視体制というのは甘々なんだろうか。朴政権は民族主義の暴走について、どう認識しているのだろう。
【駐韓米大使襲撃】襲撃の男は日本大使にも投石して有罪 5年前 - 産経ニュース
 大使が襲撃されるというのは異常な事件だが、かつて日本でも米国大使の刺傷事件が...。1964年3月だから、東京オリンピックの年にライシャワー駐日米国大使が19歳の少年に刺された。犯人は精神的に問題を抱えていたということで、政治的・思想的背景はなかったといわれている。しかし、これについては、異論のある人もいる様子。

 読んでみるかな。ちなみに、浅沼稲次郎が暗殺されたのは1960年で、このテロ事件を描いた沢木耕太郎の名作ルポルタージュは...
テロルの決算

テロルの決算

 ちょっとタイトルが似ています。60年安保から70年安保にかけて戦後の日本にもテロの季節はあったのだなあ。
 話は戻って、ライシャワー事件については、こんな人も書いていた。 1960〜70年代に活躍したジャーナリストの大森実。大森実ということは、ちょっと陰謀史観が入っているのかな。サブタイトルにも「真相」という文字が入っているし...。
 このとき襲われたライシャワー大使は日本生まれで、日本語も堪能。米国の日本研究の第一人者の一人で、著書も多い。
ライシャワーの日本史 (講談社学術文庫)

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ザ・ジャパニーズ―日本人 (1979年)

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ライシャワー自伝

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