her/世界でひとつの彼女
her/世界でひとつの彼女 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2014/12/03
- メディア: Blu-ray
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着想は奇抜だし、映像も斬新。無機質な大都市の風景が美しい。映画の中で登場する3次元ゲームのキャラクターもよく出来ている。スカーレット・ヨハンセンは声だけで映画を支配するほど魅力的だし、ホアキン・フェニックスはその声との二人芝居というか、一人芝居を演じきっている。でも、何か一つ足りない感じが残る。加えて長い。
「マルコビッチの穴」と何が違うのかと思ったら、脚本家だった。「マルコビッチの穴」「アダプテーション」のシナリオを書いたのは、チャーリー・カウフマンだった。「エターナル・サンシャイン」もスパイク・ジョーンズの作品と思い込んでいたのだが、これは脚本がチャーリー・カウフマンで、監督はミシェル・ゴンドリーだった。奇想天外な設定の中から人間の哀しさ、愛おしさ、切なさを描き出していくのが、一連の映画の素晴らしさだったのが、この世界を創りだしていたのはチャーリー・カウフマンだったことを改めて実感する。
それが映画を見ながら、感じていて違和感だったのだ。冗長になってしまったのも、スパイク・ジョーンズとチャーリー・カウフマンのシナリオライターとしての技量の差なのかもしれない。「エターナル・サンシャイン」の上映時間は107分で、「her」は120分かあ。スマホに恋するという着想は現代的で面白いが、完成度から言うと、うーん、これでアカデミー脚本賞か...という印象も残る。「エターナル・サンシャイン」で、チャーリー・カウフマンがアカデミー脚本賞をとったのは当然と思うけど、こちらの場合は...うーん。
ともあれ、期待が高かった分、ちょっと...という印象が残ってしまった。期待値が低かったら、もっと楽しめていたかもしれない。