椿三十郎(リメイク版)

椿三十郎 通常版 [DVD]

椿三十郎 通常版 [DVD]

椿三十郎<普及版> [DVD] 黒澤明三船敏郎の名作「椿三十郎」を、森田芳光監督、織田裕二豊川悦司主演でリメイク。原作の脚本をそのまま使ったというのが売りになっていたりするのだが、やはりリメイクは難しい。見ていると、これってパロディという感じになってしまう。フジテレビの「新春かくし芸大会」のドラマ編みたいな感じも。前作をなぞるのならば、徹底的になぞれればいいのだが・・・。「用心棒」「椿三十郎」と三船敏郎が見せた「二度斬り」(とどめを刺すために相手を二度斬る早業)の殺陣はやはり無理だったようだ。でも、あの殺陣がないと、三十郎の強み、凄味は出てこないなあ。やはり三船はすごかったのだと改めて思う。誰でもできそうに思えるけど、大勢を相手に一人で二度斬りしていくのは神業なんだなあ。ということで、黒沢の演出力、そして三船の演技力を改めて教えてくれる映画。でも、最初に、このリメイク版の「椿三十郎」を見た人は、これはこれで感動してしまったりするのだろうか。やっぱり、本物の黒沢映画を見て欲しいなあ。かわいそうだけど、前作を見ていると、豊川悦司よりも仲代達也、松山ケンイチよりも加山雄三だなあ。織田も豊川も松山も好きな俳優だけど、比べてしまうとねえ。また、この映画に良い味付けをしている家老夫人も中村玉緒より入江たか子、人質も佐々木蔵之介より小林桂樹。要するに、黒沢映画のインパクトの方が強いんだなあ。リメイクは本当に難しい。
【参考】
 wikipedia:椿三十郎 (2007年の映画)

赤瀬川源平「赤瀬川源平のブータン目撃」

赤瀬川原平のブータン目撃

赤瀬川原平のブータン目撃

 赤瀬川源平ブータン探訪写真集。ブータンは不思議で面白い国だろうなあ。風景も面白いが、それ以上に、そこに住んでいる人々が興味深い。純朴で美しい。

赤ひげ

赤ひげ <普及版> [DVD]

赤ひげ <普及版> [DVD]

 黒澤明三船敏郎コンビの最後の映画。加山雄三演じる青年医師の成長物語。山本周五郎の原作もいいし、黒澤明の映画もいい。古い小説で、古い映画だけど、医の問題、貧困の問題は変わらないなあ。で、やはり黒澤明の映画はモノクロ時代がいいなあ。カラー時代はどこかぴったりこない。
【参考】
 wikipedia:赤ひげ

「1930年代・東京」@東京都庭園美術館

東京都庭園美術館は本年、開館25周年を迎えます。先の20周年では「アール・デコ様式 朝香宮がみたパリ」展を開催いたしました。これに続き本展では宮邸が建設された〈1930年代・東京〉に軸を移します。この時代は関東大震災からの復興直後にあたります。通信手段や交通の発達、生活の近代化、女性の社会進出が盛んとなるなど、今に至る近代生活のはじまりの時代です。新しい大東京の風景を写し取った絵画、写真、絵葉書などにより、東京の都市生活文化を幅広く紹介します。さらに30年代の東京にみられる建築、日用品、ファッション、広告デザインなどを取り上げ、モダーンと呼ばれたアール・デコがどのように広く街中で受容されていたかを示します。

 東京都庭園美術館で「1930年代・東京」展を見に行く。庭園美術館は、朝香宮邸をそのまま使った施設だが、1930年代に建設され、様々な装飾がアールデコ。なかなか良かった。30年代は、デザインがビジネスに導入された時代ともいえる。広告デザイン、雑誌など、興味深い展示の数々がある。