伊藤若冲:鳥獣草花図屏風

 これは不思議な絵。現代のイラストレーターが描いたと言っても納得してしまう。どうして江戸時代に、1センチ四方の升目をつくって絵を構成するなどという手法を思いついたのだろう。ポップアートのイラストレーションといった感じ。象など、実物を見たことはなく、どこかの絵を見て描いたのだろうが、インパクトがある。伊藤若冲はきわめて写実的な動植綵絵を残す一方で、伏見人形図のような、ほのぼのとしたマンガ的、イラスト的な作品も描いている。しかも、この伏見人形を描いたときは齢80歳を越えていたという。不思議な人。近頃、気になっている。
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/exhibition/results/97091301j.html