コンピューターを活用した調査報道

 ウオーターゲート事件に代表されるように、調査報道(Investigative Reporting)は米国ジャーナリズムの華。だから、調査報道に従事する記者や編集者が集まったInvestigative Reporters and Editors, Inc.などといった非営利団体があったりする。現代では、政府や企業のもろもろのデータをインターネットで集めたり、そのデータをコンピューターで処理したりすることで、今まで見えなかったものが見えてきたりする。それが「CAR」、つまりComputer-Asisited Reporting。
 で、そうした電子情報処理による調査報道手法をジャーナリストの間で共有するための教育機関があったりする。それが、Natinonal Insititute for Computer-Asisited Reporting(略称:NICAR)ということらしい。記者たちが調査報道のための手法を共有する。美しいなあ。プロ同士の連帯だなあ。日本だと、何となく団体になると「運動」になりがちだけど、ジャーナリストにとっての武器は記事であり、真実だろうから、そこに近づくための実務的なスキルを共有していくことは本当はものすごく大事なことのはず。このあたりプラグマティズムの米国らしい。悪を暴く「正義」を主張する精神論ではなくて、実行するための技術論に落とし込もうとする。口よりも実行ということだな。

NICAR is a program of Investigative Reporters and Editors, Inc. and the Missouri School of Journalism. Founded in 1989, NICAR has trained thousands of journalists in the practical skills of finding, prying loose and analyzing electronic information.

 Investigative Reporters and Editors, Inc.=> http://www.ire.org/