呉連鎬:オーマイニュースの挑戦

『オーマイニュース』の挑戦

『オーマイニュース』の挑戦

 副題に「韓国『インターネット新聞』事始め」。いまや世界の新聞社から注目を浴びる、韓国のインターネット新聞「オーマイニュース」創刊の記録。これは面白い。制度疲労を起こしかけているジャーナリズム再生の記録ともいえる。市民記者というと、なんだか、きれいすぎて、ちょっといかがわしい印象も持っていたのだが、読んでみて、まっとうなジャーナリズムであり、その挑戦に感動を覚える。これは韓国の特産品なのだろうか、それともグローバル・スタンダードになりうるのか、考えてしまう。
 ネット上で、オールドメディアを揶揄しているよりも、インターネットの特性を生かしつつ、検証報道などを通じて、既存の大新聞社、大テレビ局に対する拮抗力を形成しようとする方が創造的だ。読者意見欄をめぐる試行錯誤など、なるほどなあ、と思う。昔、英国のクオリティペーパー、インディペンデント紙の創刊をめぐる本を読んで大手メディアに対する挑戦に感銘を受けたが、「オーマイニュースの創刊」は新たな時代を切り拓いたという意味で、革命的な意味を持つと思った。韓国のインターネット革命というのは社会革命でもあったのだなあ。
 ちなみに、オーマイニュースOhmyNews)にはインターナショナル版もある。
 http://english.ohmynews.com/index.asp