クレイグ・L・シモンズ「南北戦争」
- 作者: クレイグ・L.シモンズ,Craig L. Symonds,友清理士
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
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南北戦争は、1861年から1865年まで続いたが、日露戦争、第一次世界大戦など、正面攻撃による突撃で膨大な死傷者を出す近代戦の先駆けだったようだ。また、北軍のシャーマンは、南軍の補給網を断つために、南部占領地域の資源(食糧、綿花)などを奪取(略奪)、焼き払いながら、進軍する。総力戦時代の幕開けでもあった。軍事物資(工業製品)を外部に依存する南部の補給源を断つことは戦争初期からの工業力に勝る北軍の当初からの戦略で、南部の主要貿易港を海軍によって抑え、海上封鎖を進めていく。工業力が戦争を左右し、精神主義による奮闘も4年しか持たない。そういえば、太平洋戦争も1941年から45年。南軍と同じく、4年しか持たなかったな、と思う。これは偶然の一致か。
南北戦争は映画にもなっているが、「コールド・マウンテン」の冒頭に出てくる、巨大地雷を仕掛けた北軍の攻撃は1984年7月のピーターズバーグ攻防戦のときの話で、このときの北軍の死傷者は4000人だという。戦争末期、南軍は敗色濃厚で組織管理も混乱しており、軍も死傷者の実態を把握できることもできなくなっていたとう。
文中に注記された番号と作戦図内の番号を合わせて読んでいくのだが、この図内の番号がわりにくく、このあたりはレイアウトで、もう一工夫欲しかった。