マイケル・マハルコ「すばらしい思考法」

すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む

すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む

 天才たちの発想法をもとに、アイデアや企画を生み出すノウハウを紹介する。マインド・マップ法とか、テーママップとか、いろいろと参考になるノウハウも出ていた。天才たちの考え方の実例が特に興味津々で、面白かった。

 天才に共通する最大の特徴は、子供のような尽きない好奇心と、その疑問の質の高さである。(中略)天才は「正しい」答えを見つけるからというよりも、大胆な質問をするから天才なのだ。

 とか、

 レオナルド・ダ・ヴィンチは、自分の考えをリストにしたり、分離整理するのに凝っていて、それを書きつけるためにいつも小さなノートを持ち歩いていた。彼が書いた何千ページものリストは、創造性の大百科事典の素材のようなものだ。

 とか

 ダ・ヴィンチに倣って、エジソンは執拗なまでに記録をつけた。1931年、彼が亡くなった後に発見された3500冊に及ぶノートには、発明にいたるまでのプロセスが一つひとつ詳しく書き記されていた。記録をつけるという行為が彼を天才にしたと言ってもいい。

 とか

 詩人のウォルト・ホイットマンも創造力を刺激するためにアイデアを収集した。彼の日記にはアイデアを記録するために彼が考案した巧妙な方法が記されていた。彼はアイデアが浮かぶといつもそれを小さな紙切れに書き、たくさんある封筒の一つに入れた。封筒にはそれぞれにテーマが書き記してある。新しいアイデアを収めておくために、彼はテーマごとにいくつもの封筒を用意していた。/そして新しい構想や視点が必要になると、そのときのテーマや興味にあった封筒をいくつか選び、中のアイデアをとりだす。ランダムにとりだしたり、関係のあるものだけをとりだしたりして、アイデアタペストリーを作るようにして、それらのアイデアを「織って」いったのだ。このタペストリーが新しい詩やエッセイのたたき台となった。

 などと、天才たちの生活が紹介される。で、最後にもうひとつ。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは、アイデアを壁にピンでとめ、それを何度も見なおした。アイデアを目で見えるようにしたことで、彼は一つのアイデアが別のアイデアとどう関係するか、すべてのアイデアがどうまとまるのかを理解することができた。

 これはストーリーボードと同じ方式だが、ストーリーボードの方法を生み出したのはウォルト・ディズニーだという。なるほどねえ。ともあれ、アイデアを「言葉」にして、記録に残すこと、そして、全てを見えるようにし、俯瞰することで、新たな組み合わせ、括り方を発見することが、創造のノウハウなんだんな。