今村昌平氏が逝く。79歳

人間の生と欲望を力強く描き、「楢山節考」と「うなぎ」でカンヌ国際映画祭の最高賞を2度獲得した映画監督の今村昌平(いまむら・しょうへい)さんが30日午後3時49分、転移性肝腫瘍(しゅよう)で死去した。79歳だった。

 なぜか、野坂昭如原作の「エロ事師たちより 人類学入門」とか、「復讐するは我にあり」とか、「人間蒸発」とか、見たなあ。「楢山節考」とか「うなぎ」とかの“名作”は見ていない。「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」「赤い殺意」とかいった日活作品や、「神々の深き欲望」とか60年代の作品が一番、脂がのった時期の作品なんだろうけど、このへんは見ていないなあ。ということは、今村昌平の映画をきちんと鑑賞していないというきこと。映画マニアとしては、このあたりの作品を勉強しておかないと日本映画の歴史は語れないんだろうな。何となく猥雑な映画をつくる監督さんというイメージが個人的にはあるが、ちゃんと見ていないから、ごくごく少数の映画を見た印象。昨日、岡田真澄氏の訃報が出ていたが、岡田と今村には接点があって、それは川島雄三監督の「幕末太陽伝」。岡田真澄が軽妙な傍役で出ていたが、今村昌平はこの映画の助監督だった。そのふたりの訃報が続いたのも、何かの縁というものなのだろうか。