荒木経惟「天才アラーキー 写真ノ方法」

天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)

天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)

 アラーキーの写真論。面白い。写真の対象によって、シャッター音でカメラを選ぶ。政治家にはガシャン、ガシャンと響かせるなどというところは、なるほどと思ってしまう。
 人物写真の場合、対象はシャッター音に感応して表情も変わるわけだから、シャッター音は大事かもしれない。たとえば、中曽根康弘はガシャン、ガシャンの「ペンタックスの6×7」、笠智衆はパヒューン、ピシューの「ライカ」だという。
 風景写真の場合は、海外で街をとるときは「コンタックスG2」か「TC1」。パリをとるならば「ライカ」。
 レンズの場合は、街を撮るときは35ミリ。で、人物になると・・・

 ホントに顔だけ触れたい、人の優しさみたいなものに触れたいっていうときは50ミリで50センチとか1メートル(くらい離れて撮る)っていうのがいいですよ。人の顔を、ひん曲げて撮るのは嫌だからね。

 なるほどなあ。写真を撮ってみたくなる。やっぱり、ズームじゃなくて、35ミリあたり持って、街を出るのがいいか。