戦場のピアニスト

戦場のピアニスト [DVD]

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 ポーランドでのナチスドイツによるユダヤ人虐殺をロマン・ポランスキーが静かに描く。夜、帰宅したら、CATVで放映していて、思わず見てしまう。ポランスキー自身、ポーランドユダヤ人。戦闘場面は遠くから距離を持って撮る。感情移入もせず、たんたんと描く。スピルバーグのようにドラマを盛り上げようとしない。そこにポランスキーの心情が見えるし、戦争から半世紀以上も経なければ、映画を撮れなかったところが心の傷の深さを象徴している。しかし、最後に出てきて、主人公のシュピルマンを助けるドイツ人将校が印象に残る。実話だからこそ、さらに、そう思う。この二面性に人間の不思議さがある。