熊井啓監督が死去

映画「海と毒薬」や「サンダカン八番娼館・望郷」など数々の社会派作品で知られる映画監督の熊井啓(くまい・けい)氏が23日午前9時51分、くも膜下出血のため東京都内の病院で死去した。76歳。長野県出身。

 新聞記事を見ていると、どれも「海と毒薬」「黒部の太陽」「忍ぶ川」「帝銀事件 死刑囚」あたりを並べているが、一番好きなのは「日本列島」だなあ。松本清張の「日本の黒い霧」みたいな感じで、スチュワーデス事件やら偽札事件やら、戦後占領下の日本のもろもろの事件の背景に米軍謀略機関がいたのだ!という陰謀史観に満ちあふれた映画。パワーあったな。社会派映画の傑作といった感じ。ミステリー的な面白さもあって、コスタ・ガブラスの「ミッシング」とか「Z」とかに近い映画だったなあ。熊井啓監督はシリアスだったけど、こうしたテーマをユーモアたっぷりにドキュメンタリーでつくるとマイケル・ムーアになってしまうんだろうなあ。シリアスはいまは受けないかなあ。

日本列島 [VHS]

日本列島 [VHS]

 わあ、「日本列島」はCATVで見た記憶があるけど、DVDにはなっていないなんだなあ。ビデオはあるけど。