英米の経済新聞、FTとWSJが合体する?

英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などを傘下に持つ英新聞・出版大手ピアソンが、米新聞大手ダウ・ジョーンズの買収を検討していることが15日明らかになった。ダウ・ジョーンズ傘下の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が報じた。買収が実現すれば、欧米を代表する経済紙であるFTとWSJが経営統合することになる。

 マードックダウ・ジョーンズ買収提案に対抗して、フィナンシャル・タイムズ(FT)を擁するピアソンがウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を持つダウ・ジョーンズを買収を計画している? 英米の経済紙の経営統合というわけだけど、この報道をWSJがしているところが面白い。願望も入っているんじゃないだろうか。FTにしてもインターネットの時代に入って経営環境が厳しいことはWSJと変わりはなく、ピアソンがFT売却するのではないかという観測記事がメディアで流れたりもしていた。経済メディアの雄はいまや、ブルームバーグトムソン・ロイターといった電子メディアで、B2Cでも、ヤフー・ファイナンシャルのほうが存在感があり、経済紙は挟み撃ちに合っている。そうしたなかで、英語圏の経済紙が融合しても、1+1=2というわけには行かないんじゃないだろうか。むしろ、米国市場はWSJ、英国市場はFTがカバーしましょうという話になって、合理化効果しか期待できないということになってしまいかねないのでは。記者のリストラが始まってしまっては、マードックに買収されるよりも編集現場にとっては厳しいことになるかも。ピアソンにとっては、マードックと対抗するのは嫌ということだけど、それって縮小均衡を狙う作戦で、そうしたことに巨額の資金を出資する会社があるんだろうか。結局、名誉として、経済原則と離れたフィランソロピーとして資金を拠出してくれる人を求めるのだろうか。