ポーラ美術館ーー「花の絵画」展

財団法人ポーラ美術振興財団は、2002年9月神奈川県箱根仙石原にポーラ美術館を開館いたしました。総数約9,500点におよぶポーラ美術館のコレクションは、ポーラグループのオーナーでありました鈴木常司(1930-2000)が40年余をかけて収集した美術作品です。コレクションの中核は、19世紀フランス印象派やエコール・ド・パリなどの西洋絵画400点であり、また日本の洋画、日本画、東洋陶磁、日本の近現代陶磁、ガラス工芸、化粧道具なども多数収蔵し、大変幅広いコレクションとなっております。

 ポーラ美術館に行く。ちょうど「花の絵画」展と「エミール・ガレ」展を開催中。きれいな美術館だし、レストランも洒落ていたけど、開館5周年記念という展示のほうは今ひとつ、心が躍らなかった。所蔵の絵画が有名な画家のものばかりだし、コレクションとしての時価総額としての「すごさ」はわかるんだけど、「花」という切り口だけで絵画を語るのは、化粧品と観光地という2大特性の発露という以外のものがなかった。美術館の展示というのは、ひとつの「編集」なんだな、と改めて思う。どのように並べ、どのような解説を付けるのか、そこに、ひとつの世界ができることを改めて痛感する。時代とか、ヒトが見えてこない感じがした。施設としては美しいし、よく出来ているし、名作・傑作が揃いながら、乗り切れない。そんなこともあるんだな、と思う。花自体にあまり関心がないから、そう思ってしまうのかもしれない。ただ、それでも展示の仕方次第では違った世界ができたのではないか、と思えてしまう。
・「花の絵画」展
 http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/01_01.html
・「エミール・ガレ」展
 http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/01_02.html