米国に殉じることが美しい?

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のためオーストラリアを訪問中の安倍晋三首相は9日夕(日本時間同)、シドニー市内で内外記者会見を開いた。11月1日に期限切れのテロ対策特別措置法の延長問題に絡んで「自衛隊の補給活動を継続していくための法案を国会に提出し、成立を果たさなければならない。そのために全力を尽くし、職を賭していく。職責にしがみつくということはない」と明言し、10日召集の臨時国会自衛隊の活動継続が果たせなかった場合には、退陣する意向を強く示唆した。

 自衛隊の補給活動を継続できなければ、首相を辞めるとの発言。2カ月足らずの議論で片付く話でもなさそうだし、特に民主党と議論している風も今のところ、なさそうだし、このまま国会に突入して、テロ対策特別措置法の延長ができなければ、「ごねる民主党」の責任で、通れば、儲けモノ? ともあれ補給に支障が生じた場合は、自分は米国との約束に殉じる形で退陣という絵を描いているのだろうか。選挙で負けたからでも、国民の信頼を失ったためでもなく、米国との約束を果たせなかった責任をとって辞めるという形のほうが美しいという認識なんだろうか。それが安倍首相の美意識なのだろうか。