米財務長官がドルの基軸通貨としての地位を強調

ポールソン米財務長官は9日、現在の市場混乱にもかかわらず、米経済が強さや門戸開放、競争力において優れていることは明らかだと述べ、世界の準備通貨としてのドルの地位を擁護した。ポールソン長官は会見で記者団に対し「ドルは第2次世界大戦以降、世界の準備通貨となっているが、それには理由がある」と指摘。「米国は世界最大の経済国であり、あらゆる経済圏と同様、投資や通商の門戸を開放している。経済政策は安定しており、生産性も良好」と述べた。

 財務長官がドルが唯一無二の基軸通貨であることを改めて強調しなければならないところに、今回のドル急落の深刻さがあるのかもしれない。これは一種のドル危機なんだろうか。米国嫌いの国々もこれまではドルで持つほかはなかったのだが、今はユーロがある。ユールは、中東にとっても、ロシアにとっても認めやすい通貨。経済圏としてもユーロに向かうし。アジアはどうなるのだろう。円でも、元でもなく、新たな通貨単位を創ることも課題になってくるんだろうか。