「実効相場でみれば、円はまだ安値圏」?

 ドルでは円高だけど、ユーロや元など他の通貨に対してはどうかと思っていたのだが、今日の日経朝刊1面に掲載された滝田洋一編集委員の「ドルの信認、瀬戸際」という記事に、こんな一節があった。

 日本の貿易相手全体に対する実効相場でみれば、円はまだ安値圏にある。原油、食料など商品市況が高騰するなか、円高には輸入価格を抑えるメリットもある。

 日本の輸出企業は意外と良いポジションにいるのかもしれない。いいとこ取りだったりして。もっとも、これだけ激しいドル安となると、問題は経済のインフラそのもののほうかもしれない。ということで、この文章はこう続く。

 とはいえ、ドル不安という大きな構図のなかの円高には、経営者や投資家の不安心理が先行する。

 なるほどねえ。為替相場をめぐる議論は、今年の最大のテーマだなあ。従来は「円高=悪」という単純な図式だったけど、ここへきて円高評価論も高まっているし。また、ドルの信認という問題が大きく浮上してきており、こちらは21世紀型の恐慌は起きるのか、という議論につながっているのだろうなあ。